タイトル[ゴミ漁りのハクタク]

絶望を超越するもの

タイトル[ゴミ漁りのハクタク]

頭には牛のような二本角があって下顎には山羊のような髭を蓄え

眼が額にもう一つあり更に胴体の側面に眼が三つあり

もう片方の側面にも三つある化け物がゴミを漁りをしていた、そして

白い獅子の様な見た目を持つ存在はそれを眺めていてある時に言った。


「何故ゴミ漁りなんてしているんだい君は?」


「それは過去を探しているんだ」


「過去を探している?」


「そう過去を探しているんだ、この忘れ去られた

全てから過去を見つけて未来に繋いでいきたいんだ」


「そんなことが本当に出来ると思っているのか?」


「出来ると思っていなければこんな事はしないさ」


「そうか、お前は後何年で死ぬ?」


「そうだな、普通に生きる事は数千年、ここで過去を探す事に数十万年

そしてこの私の残りの寿命はきっと数百年も数十年も数年も無いだろうな」


「それで君の人生は幸せだったのか?」


「ああ私は幸せだ、昔も今も未来もな」


「そうかそれは羨ましい限りだ………君が死んだなら

その時はこのわしが君の死体を丁重に葬ってやろう」


「それは有り難い限りです」


そうして数年のゴミ漁りを見守って死体を丁重に葬った。

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