【まとめ】Gemstone /@kumeharaさま《1》
このページでは、各オプションごとの感想をまとめさせていただきます。すでに〝エピソードごとの感想〟で述べました部分は割愛いたします。
◆オプション全体から抜粋:
5◇全体的な感想内容:良くない部分も含む
6◇「良くない意味」で気になった点(辛口)
この2つを、まとめます。
オプションに従い、かなり踏み込んだ感想を書かせていただきました。しかしながら、もしも本作を企画外で、純粋に楽しむために読んでいたならば、おそらく触れることはなかった要素でしょう。それくらいに、物語の完成度は高いと感じました。あえて私が言う必要もありませんが、間違いなく「名作」です。
7◇「読みながら考察や推理をした内容」の掲載:あり
8◇「主人公」に対する感想:良くない部分も含む
この2つを、まとめます。
主人公のロレッタですが、良くも悪くも「読者のカメラ」といった具合ですね。おそらくは彼女を通して、村の貧困具合を目の当たりにし、村人から王族へ向けられる恨みや怨嗟を、読者自身も受けることとなるのでしょう。
現状のリューズナートの態度を見るに、温かくは迎えてもらえないのでしょうね。おそらくは他責思考の強い村であることは明白ですし、明るい未来は期待できないのではないかと思われます。あえて本作を他の名作で例えるならば『小公女』でしょうか。想像以上に、重い物語となりそうです。
唯一可能性があるとすれば彼女の〝魔法〟ですが、それすらも忌避の対象とされそうですからね。これがラノベならば「聖女」として持ち上げられそうですが、本作では絶対にありえないでしょうし。すべては村人の態度次第ですね。
むしろ魔法を捨て、汗水垂らして働くことで信頼を得るしかないのではないかとも考えます。下手に魔法を使うと「なんで助けてくれないの!?」とゴネる人が絶対に出てくるでしょうからね。鬱展開は、たくさん見た経験がございます。
9◇主要人物に昇格してほしいと思った脇役
現時点では対象がおりませんので、該当なしとなりますね。あえて出すなら、人質の少年〝ネイキス〟ですが、私は基本的に子供を「残忍で残酷な存在」であると捉えています。人質の一件を、ロレッタへの敵意に変換しないことを願います。
10◇好きな登場人物(指定なし)
これはミランダですね。物語そのものが複雑な人間関係をベースにしていると思われますので、彼女のような「わかりやすいキャラ」は読者にとっては癒しとなります。常に「うーん……」と頭を捻りながら読み進めるのはツラいですからね。この重々しさは決してマイナスではありませんので、そこは誤解なきよう願います。
11◇嫌いなエピソードや嫌いな場面
12◇不快だと感じた要素
この2つを、まとめます。
不快や嫌い――というか、「これ、どうなの?」といった程度ですが、リューズナートが「近衛兵になることを〝即答で〟断る場面」ですね。理由は後述します。
13◇嫌いな登場人物(指定なし)
これはリューズナートですね。理由はエピソードの感想で述べたとおり、行動に一貫性がなさすぎます。ミランダの前へ現れた際も、交渉に来たのか戦いに来たのかハッキリせず、実際に人質を前にしても、即答で「断る」と言う始末。ただただ他国の王族に対して〝「おまえだよ、ミランダ・ウィレムス」〟と、暴言を吐きにきただけですよね。ミランダの言うとおり、あまりにも
これがギャグやコメディならば、そういうキャラでもかっこよく見えるのですが、本作はシリアスな物語です。まるでミランダが一線を越えないことを、予め知っているのかと疑うほどです。そうでないなら、さすがに考えがなさすぎではないでしょうか。あの場面で物語の世界観を説明したいという意図はわかるのですが、そういった作者の主張が強すぎです。それを是正するためには、ほんの少しでも〝近衛兵〟の段階で迷うそぶりが欲しかったところですね。本当に〝4話〟のミランダの言うとおり、〝「少しは考えなさいよ」〟だと思います。
本作についている作者さまのコメント返信を拝見するに、リューズナートのことを気に入っておられるようですので、もしかすると不快な思いをさせてしまうかもしれませんね。申し訳ないですが、これが私の本心です。
ほんの一文、わずかに迷いを見せてくれるだけでも是正できるとは思うのですが、作者さまにも信念がおありでしょうし、無理に変更する必要はございませんからね。
14◇特に印象に残った場面や台詞
前述のとおり、ミランダの〝「少しは考えなさいよ」〟ですね。もはや完全に、私の思いと一致しております。あまり言いすぎるとポジティブではなくなりますので、深くは言及いたしません。もう充分に触れてしまいましたからね。
15◇「文章の読みやすさ」に関する感想:あり
16◇「文章」に対する改善案:あり
17◇「専門用語の数、わかりやすさ」に対する感想:あり
18◇「ルビ、ふりがな」の数や箇所に対する感想:あり
この4つを、まとめます。
文章は全体的に美しく、非常に読みやすかったですね。筆致としては、主に女性向けであるように感じます。最近のカクヨムでは、女性向けの作品が求められる傾向にありますからね。これは大きな強みであると感じます。もちろん男性である私が読んでも、非常に楽しめるものでした。
序盤の専門用語も数は少なく、アクアマリンやルベライトといったイメージしやすいものです。専門用語に脳のリソースを使うのが嫌な読者さまであっても、無理なく物語へ没入できるのではないでしょうか。
ふりがなも過不足なくといった感じでしたね。「ここは欲しいかな」という部分はありましたが、おそらくは主なターゲットは大人の女性であると思われますので、文面の見栄えを維持するためにも、現状のままで充分であると感じます。ふりがなが多いと、どうしてもゴチャゴチャしますからね。本作は非常に美しいです。
19◇「構成」に対する改善案:あり
20◇「設定」に対する改善案:あり
エピソードの感想で言及しましたとおり、非常に素晴らしいプロローグでした。第1章にて、そこへ戻ってくるという構成も見事ですね。続きが気になるかどうかは、読者さまの趣味嗜好次第といったところでしょうか。
少しは心が休まる場面があれば良いのですが、仮に周りが全部敵だらけですと、読むのがツラくなりそうですね。ロレッタの個性が薄いだけに、今後彼女へ向けられるであろう暴言や批判は、そのまま読者に対してダイレクトに届いてしまいます。
主人公の個性の強さは、読者の精神を守るバリアも兼ねているんですよね。たとえば凄惨で過酷な場面であっても主人公の信念が揺るがなければ、エンタメとして楽しむことができます。本作では意図的なのか、バリアが薄く生成されております。
これが作者さまの狙いであるのならば、じつに見事な手法であると言えるでしょう。コンテストの成績や★の数を見ても、その狙いは完全に成功しているのではないかなと。エンタメではなく、いわゆる「考えさせられる」作品ですね。
*
これで今回の感想は以上となります。
ご質問やオプションの変更等があれば、コメントにてお知らせください。特に問題なければ、現状のオプションのまま続けさせていただきます。
それでは最後になりますが――。
素晴らしい物語を拝読させていただき、本当にありがとうございました。
そして皆さまにも是非、お読みいただけますと幸いです。
【作品名】:Gemstone/【作者】:@kumeharaさま
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