【エピソード感想】アメリカ北部のJCが、イケメン探ししてたら南北戦争に巻き込まれた!/蜂蜜の里さま 《1》
>◇「参加作」を読もうと思った理由:あり
ずっと気にはなっていたものの、色々な意味で怖くて手が出せなかった作品ですね。今は精神状態が比較的良好ですので、この機会に拝読させていただきたいと思います。どうしてもイデオロギー面が気になってしまいますからね。
ちなみに私は、トランプ大統領をツイッターのアイコンにするようなタイプですので、その点はご留意願います。彼の登場によってアメリカ人ではない私でさえも、アメリカを偉大に思ったものです。もはや世界は完全に左傾化してしまいましたが、どうにか持ち直していただきたいですね。変なアルファベット思想にはウンザリです。
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◇合衆国の英雄:
本作が〝南北戦争〟を舞台とした作品であることの解説ですね。史実に基づいた作品であることを示すには良い点なのですが、やはり作品タイトルとの乖離が気になるところですね。〝JC〟は、いわゆるネットスラングの「女子中学生」ですよね?
ここがどうにも日本っぽいと言いますか、どこか転生モノのような、ファンタジックさを感じ取ってしまいます。これが良い方向へと作用していれば良いのですが、そういった点にも注目してまいりたいところですね。
なお、私は南北戦争についてはあまり詳しくありません。私のアメリカに対する認識としては、「相手を挑発して相手から攻撃を仕掛けさせ、大義名分を得た後に『自由と正義による報復』の名目を掲げて戦争をおっ始める」というイメージですね。米西戦争、大東亜戦争、ベトナム戦争、テロとの戦い。挙げはじめるとキリがありません。それでも、現在は日本の同盟国ですからね。手を取り合ってまいりましょう。
ものすごく単純なことなのですが、せっかく〝南北戦争〟の話をするのであれば、南北戦争の「年代」の記載もあると、よろしいのではないかと感じました。
◇彼氏作るために、パーティに来ました!:
いきなりぶっ飛んだタイトルですね。ハイテンションな三人称なのかとも思ったのですが、14歳の〝アニー・ウェブスター〟による語りであるようですね。――と、思いはしたものの、どうやら違うようです。元々の私のスタンスどおり、あまり視点については気にしない方針で読み進めてまいります。物語がわかればいいんです。
ここでの重要人物は、アニー、カミラ、チャールストン少佐といったところでしょうか。どうやらアニーは、この少佐に狙いを定めたようですね。非常にスピード感があり、エネルギッシュで良い展開であると感じました。
◇実は、星条旗好きなんだよね:
パーティは続行中ですが、話題はカミラたちによる政治的な話題が主となっておりますね。ここは主人公であるアニーが「まっさらな状態の主人公」の位置にいるために、彼女を通して、読者も時代背景を学んでゆくといった形でしょうか。
どうやらアニーとカミラは異母姉妹であるようですね。アニーの父であるウェブスター将軍は、カミラの母と別れたあとに、アニーの母と再婚したといった感じでしょうか。やはり物語を愛する私としては史実に関する薀蓄よりも、こういった作中の設定の方に意識が向いてしまいますね。
しかしながら、この少佐は少々軍人らしからぬ発言が目立っているようにも感じますね。異世界ファンタジーであれば、こういう人物がいても問題はないのですが、仮にも実在する国家の軍人が民間人に対して反戦を口にしては、色々と不安になってしまいます。今の私は、アメリカ人の気持ちで読んでおりますからね。
一つ気になった点としては、〝クリスチャン精神〟という言葉でしょうか。アメリカは基本的にプロテスタントであると思われますが、あまりこうした言葉は使わないのではないかなと感じております。もちろん、作者さまは実際にアメリカにも滞在されておられたとのことですので、「これでいい」と仰られるのであれば、何ら問題はございません。どうか聞き流してくださいね。
ここの演説の場面は、非常に臨場感がありましたね。夢中で読み耽ってしまいました。エピソードタイトルの星条旗もさることながら、絶妙のタイミングで流れるオーケストラの演出などは、場面が目に浮かぶようでした。
◇こいつ、なんか好きになれない:
まさに宴の後といった感じの、静かな場面ですね。アニーの天真爛漫な発言をよそに、南北対立が激化している様子。私は史実を詳しくは知りませんので、あくまでも作中の知識のみで読み解かせていただきます。いわば、半分フィクションのような状態ですね。ここまで読み進めてまいりましたが、物語への没入感がすごいです。
カミラも将軍を〝お父さま〟と呼んでいるということは、彼女の母は再婚していないのかもしれませんね。――と、なんとなく気づいたのですが、「カミラの母はフィリピンの活動家である」といったような内容を、とある感想企画で見かけたことを思い出しました。ジャスミンという名前でしたっけ。これは本作での知識ではないのですが、知っているものは仕方がないので、予めお知らせさせていただきます。
そしてアニーとカミラの元を、マグワイア中尉なる人物が訪れます。〝イケメンじゃない〟と一蹴するのが面白いですね。この時代のアメリカに叶姉妹がいたのかどうかはともかく、アニーが面食いであることは充分なほどに理解できます。良いキャラ付けになっているのではないでしょうか。
どうやら、この男らは将軍の部下ではなく〝敵〟であるようですね。家に銃が置いてあるのも、「らしさ」があって非常に良いと感じました。
まったくの余談なのですが、私はどうにも「マサチューセッツ」をスラスラと言うことができないので、この機会にグーグル翻訳の音声を聞いてみたところ、「マァッサ、チュー、セッっ」といった感じで発音しておりましたね。これなら問題なく言えそうです。ひとつ勉強になりました。さようなら、マチャチューチェッチュ。
◇まじぶっころす!! でもかっこよかったー!:
このサブタイトルって、アニーの心情なんでしょうか。そういえば〝まとめ読み〟の範囲が〝一話から六話〟とあったのですが、話数が振られておりませんね。最初の南北戦争の解説は省いてということなのか、とりあえずはキリの良いところまで読み進めさせていただきます。正直に申しあげて、本作はとても面白いです。
アニーとカミラは男らには従わず、馬を使って波止場への脱出を計るようですね。まさにアメリカのアクションシーンといった感じで、このエピソードも楽しいです。
【 アニーは砂ぼこりをあげて馬を急停車させた。】
この部分なのですが、馬車ではないようですので、「急停止」が妥当であると思われます。思わず吹き出してしまいました。
船着場にいたのはアニーたちの味方の青年であったようで、彼はカミラの銃と自身の銃を使って男たちを迎撃します。アニーが馬を気遣う様子があるのも良いですね。私も動物を気遣ってしまうタイプですので、彼女への好感度が上がりました。
この青年も良いキャラをしていますね。戦争に行った感想が〝腹を壊した〟というのが良い味を出しています。礼儀を弁えている点も評価が高いです。最後の発言からすると、彼はインディアンでしょうか。今後の活躍が楽しみです。
◇パパ、なんか隠してる?:
どうにか将軍と少佐の駐在する司令部へと辿り着いた二人。そして、前回大活躍の青年は〝エナペーイ〟と呼ばれておりましたね。〝合衆国の英雄〟のエピソードでも名前が出ていた人物ですね。これは素直に嬉しいです。
マグワイア中尉がアニーたちを狙った理由は、誰にもわかってはいないようですね。普通の物語であれば、中ボス的な立ち位置になるのでしょうか。
いきなり発砲してくるあたり、アニーとカミラを人質にしようとするよりは、始末しようとしていたようにも見受けられます。もしかすると父である将軍は関係なく、カミラ自身に用があったのかもしれませんね。
◇私たち、婚約しました:
アニーへ向けての手紙からのスタートですね。これも非常に「らしさ」がありますね。物語への没入感が衰えないのが、本当にすごいです。ここで〝看護婦〟と言ってくれているのも良い点です。下手に〝看護師〟なんて言葉を使われると、一気に現実へと引き戻されてしまいますからね。ですので〝イケメン〟が少しもったいないところではあるのですが、アニーの根幹にもかかわることですので変えるほどではないでしょうか。――じつはアニーは現代日本からの転生者というオチはないですよね?
この手紙のやりとりを通して親密さを増したのか、アニーは見事にイケメンである、ケイド・チャールストンさんの心を射止めたようですね。こうした演出も、非常に気が利いておりますね。
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さて、ここで〝七話〟もしくは〝合衆国の英雄〟を除いて〝六話〟となりますので、いちど感想を区切らせていただきますね。非常に面白かったです。あとは次のページにて、各オプションに基づいた感想のまとめを述べたいと思います。
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