【まとめ】 天倶小学校新聞部 ~天狗の占い屋と七不思議のヒミツ~/ななくさ ゆうさま《1》

 このページでは、各オプションごとの感想をまとめさせていただきます。すでに〝エピソードごとの感想〟で述べました部分は割愛いたします。



◆オプション全体から抜粋:


◇全体的な感想内容:良くない部分も含む

◇「文章の読みやすさ」に関する感想:あり

◇「ルビ、ふりがな」の数や箇所に対する感想:なし

◇「専門用語の数、わかりやすさ」に対する感想:あり

◇「良くない意味」で気になった点(マイルド)

◇「文章」に対する改善案:あり


 この6つをまとめます。


 申し訳ございませんが、「ふりがな」には大いに触れさせていただきました。とにかく児童書としては、難読漢字や難解な言葉が多すぎですね。面白さ以前に、児童書であるならば、まずは子供にも読めるものでなければならないと思われます。たとえば「なろう系」があれほどまでに支持されるのは、「誰でも読める文章で書かれているから」といった部分も大きいです。ターゲットが読めなければ意味がありません。


 とはいえ、商店街に出て以降は徐々に柔らかい文章になってまいりましたので、やはり序盤の硬さのせいで、ページを閉じられてしまったのではないかといった懸念がありましたね。とにかく「小学生らしさ」が皆無でした。


 また、全体的に読点「、」が少なすぎるとも感じました。特に児童書においては作文のように、読点を多めに付けるのが望ましいのではないかと、個人的には考えております。もちろん、私は選者でもなければ入賞経験者ですらもない素人ですので、単なる読者の意見の一つとして、お納めいただけますと幸いです。


 物語そのものは非常に面白く、設定や構成も良く練られていただけに、それを描くツールである「文字」の部分で損をしている作品であると感じてしまいましたね。児童書とするならば表現や言葉を全体的に見直すか、いっそのこと、高校生くらいの年代にしてしまっても通用するのではないかと存じます。


 小学生であるならば、たとえばランドセルを背負う描写や、「算数」の授業があったことなど、「小学校」を感じさせるガジェットを登場させるのが良いかと思われますね。主人公が使う道具も〝シャープペンシル〟ではなく、「ふでばこから鉛筆」を取り出すだけでも、かなり印象が変わります。「らしさ」が欲しいところですね。


 特に本作は「人外」が存在する世界観ですので、単純に「十二歳」とだけ言われてもリアリティには寄与しません。塾や教頭や夏休みは、高校にも存在しますからね。




◇「ネタバレ」への配慮:おまかせ

◇「読みながら考察や推理をした内容」の掲載:あり

◇「良い意味」で気になった点

◇「設定」に対する改善案:あり


 この4つをまとめます。


 タイトルに堂々と出てはいるのですが、一応ネタバレは伏せさせていただきました。これは実際に読んでいただいた方が、絶対に爽快感がありますからね。特に序盤は「現実」を強くイメージさせられていたからこそ、後半の展開が生きたとも考えられます。構成や設定に関してはお見事でした。


 ジャンルとしてはホラーよりも、現代ファンタジーが相応しいような気がするのですが、どうなのでしょうね。なかには内容にかかわらず、「ホラー」というジャンルだけで「ホラーは読めないです」と投げ出されてしまう方もおられます。〝第1話〟を読んだ感じ、そうした意味での怖さはないと感じましたので、間口を広げるという意味でも「ホラー」は避けた方が良いのではないかと思ってしまいましたね。




◇「主人公」に対する感想:良くない部分も含む


 とにかく主人公への好感度は、最初から低いままでしたね。小学生らしからぬ口調にマセた物言い、大人に対する無礼な態度など、誉められる部分が皆無でした。


 しかしながら、最後の最後にやり込められたことによって反省し、少しだけ成長したという一点において、大きなプラスとなりましたね。いわゆる「不良が少しだけ善行をしただけで聖人に見える」といった類のものですが、それでも主人公としての役割は、しっかりと果たせたのではないかと感じました。


 小説に限らず、かつての児童向けの作品などでは、ヤンチャな主人公が叱られて改心するといった物語は定番ではありましたからね。そういった意味でも、彼女は主人公らしかったのではないでしょうか。好き――と、まではいきませんが、少なくとも「嫌いではない」というレベルまでの好感度にはなりました。




◇特に印象に残った場面や台詞


 これは雑居ビルの中に入っていく場面ですね。まさしく異界へと足を踏み入れてゆくような感じが良かったです。あの天狗のお面の演出も、読みきったあとならば思わずニヤリとしてしまうような要素ですね。




◇好きな登場人物(指定なし)


 文句なしで〝神保優占〟さんです。彼には〝おばちゃん〟でなくても惚れるのではないでしょうか。物腰が柔らかく、言うべきことはしっかりと言う、まさに理想の大人といった感じです。一昔前ならばだらしない風貌のオッサンが担うような役どころでもあったのですが、彼のようなイケメンが担うというのも、今風で良いですね。




◇「もう一度読みたい」と思ったエピソード

◇「構成」に対する改善案:あり


 この2つを、まとめます。


 もう一度読みたいと思ったのは〝1-6〟ですね。これまでのモヤモヤや不快感がすべて逆転しました。ただ、応援「❤️」の数を拝見するに、何名かの方は途中で離脱なさっておられるように見受けられます。それが非常にもったいないと共に、読み終えた私としても悲しく残念であると感じてしまいますね。


 やはり主人公の好感度が下がりきったタイミングでも、なんらかのフォローが必要なのではないかなと。「角川つばさ文庫大賞」の選考方法はわからないのですが、おそらくは規定の文字数までは「通しで」読んでの評価ではないかと思われます。


 たしかに〝第1話〟の〝1-1から1-7〟までをまとめて読むと、主人公への不快感は相対的に「微プラス」程度にまでは回復します。しかしWEB小説の場合は、主人公が不快だと感じたタイミングでページを閉じられてしまうんですよね。いくら「結」が良くても、途中の「承」や「転」で読み止められてしまっては、せっかくの魅力も伝わりません。たとえば1-5の濃度を薄め、1-6と合体させるなどを行なえば、こうしたマイナス面も是正されるのではないかと思われますね。



             *


>本作は角川つばさ文庫大賞に応募して2次選考落ちした作品です。

>作品の何が良くて、何がダメなのか。

>児童向けはどうしてもカクヨムでは読者に読んでいただきにくく、感想なども得るのが難しいです。

>改善点がどこにあるのか具体的に知りたくて応募させていただきました。

>よろしくお願いします。



 やはり児童書としては「ふりがな」や「言葉選び」に難があるのではないかなと、素人ながらに感じましたね。私でも「そう」ですので、専門の人間ならば、尚更に気になる点となってしまったのではないかなと。物語そのものに関しては大変素晴らしいと感じただけに、もったいない部分ではありますね。


 あとはWEB連載である以上、主人公の好感度が下がりすぎたことによってページを閉じられてしまうという懸念ですね。これは児童書に限らず、WEB連載全般に言えることです。基本的にWEB作品は、主人公が嫌われてしまった時点でお終いです。たとえば、もう少し「地の文」において、主人公の言動や行動を窘めるような言葉を入れるなど、「この主人公が絶対正義ではないんだよ。反省して成長するよ」といった展開を匂わせておいた方がよろしいのではないかと考えました。



             *



 これで今回の感想は以上となります。改善案を求めておられるということで


 ご質問やオプションの変更等があれば、コメントにてお知らせください。特に問題なければ、現状のオプションのまま続けさせていただきます。


 それでは最後になりますが。

 素晴らしい物語を拝読させていただき、本当にありがとうございました。


 そして皆さまにも是非、ご一読いただけますと幸いです。



天倶小学校新聞部 ~天狗の占い屋と七不思議のヒミツ~:

https://kakuyomu.jp/works/16817330659613353616

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