【エピソード感想】魔法少女に憧れた俺が、魔法少女になるまでのお話。/𠮷田 樹さま
>◇「参加作」を読もうと思った理由:あり
やはり興味を惹かれる部分は「俺」と「魔法少女」という文言ですね。あらすじを拝見するに、重めのヒューマンドラマのようです。
幸崎は同じ原因でのギスギス展開(親友から無視されるなど)が続くと読書断念する可能性がありますが、なるべくそうならないよう頑張ります。身構えてしまっては楽しめませんので、まずはリラックスしてまいりましょう。
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>プロローグ/第1話「毎週日曜あさ8時30分」
魔法少女もののパロディ番組からのスタートですね。色々と混じっておりますが、時間帯とタイトル的には「プリキュア」がベースなんでしょうか。全体的なノリとしては、古き良き時代の魔法少女らしくもありますね。――これは上述のパロディ番組に関する話ですからね。
そうですね、やはり登場人物には極力「ふりがな」が欲しいところですね。〝晄〟という人物が登場しましたが、読み方は「コウ」で良いのでしょうか。独特の言葉遣いをしておりますが、一方的に世話を焼いてくるタイプの不思議系の妹キャラといった感じに思えますね。プラチナブロンドの髪というところも興味深いです。
>第2話「両手に花で出発です」
晄によって番組の視聴を邪魔されてしまった主人公は仕方なく外出――ではなく、まずは彼女の寝癖を整えてあげるようです。5年ほど伸ばしている私の髪も長いですが、すでにバッサバサですからね。サラサラで羨ましい限りです。
現在の季節は春先のようですね。主人公の名前が登場していないこともあり、いまのところは〝晄〟を中心に物語が進行している感じですね。彼女が凄惨な目に遭わないことを願います。――ほんの少しだけ、期待はしておりますが。
エレベーターで一階へ下り、玄関ホールを出たところで黒塗りの高級車に出くわします。しかしながら、そこから降りてきた〝朱音〟という少女は二人の知り合いのようですね。そして主人公の名前は〝渚〟であることもわかりました。彼の魔法少女好きは、二人の少女にも知れ渡っているようですね。
渚によると、朱音という少女は相当可愛いようですね。気弱なお嬢様といった印象を受けました。金持ちということで、魔法少女を支援するアイテムの開発担当となるのでしょうか。「爺や」らしき男性の所作も良いですね。私も惚れ惚れいたします。
>第3話「美少女たちの談笑を横目に」
わちゃわちゃタイムといった場面ですね。晄の立ち位置がイマイチよくわからないのですが、彼女は「実妹」なのでしょうか。そうであれば、私は晄ちゃん一択ですね。じつは義妹だったという逃げは重大な違反行為ですので許しません。
――と、思っていた矢先に〝この一年で晄が随分、地球の生活に馴染んだ〟という文章が登場してまいりましたね。読者の疑問がピークに達した素晴らしいタイミングでの解答であると思います。実妹のルートが消えかけているのは残念ですが、まだ渚も地球外の存在である可能性もありますからね。期待です。
>第4話「地球外知的人型生命体」
高級車に揺られ、ある一戸建てへと到着した渚たち。迎えてくれた朱音の父親〝藤本涼太郎〟によると、渚は〝幸城渚〟という名前のようですね。そして晄は〝十条晄〟というそうです。残念ながら、早くも実妹ルートは消滅いたしました。
どうやら晄の正体は、〝地球外知的人型生命体アグレッサー〟なる存在のようですね。〝一年前に地球を襲った〟ということは、冒頭の番組は実話だったということでしょうか。もしくは「こちら側」が劇中劇という可能性もありますね。後者ですと面白いですが激しく興ざめしますので、できれば前者であることを願います。
ここで〝プロローグ〟が終わりですので感想をまとめますと、とにかく文字数が丁度良いと感じましたね。各エピソードごとに見せ場があり、しっかりと物語が進行している印象です。登場人物たちも魅力的ですね。情報の出し方も見事です。
一点のみ、気になる点があるとすれば「ふりがな」ですね。やはり登場人物の名前には、初回だけでも「ふりがな」が欲しいところです。〝黒塗りのセンチュリー〟に〝高級車〟のルビがありましたので、ルビを使わないというスタイルでもなさそうですからね。もう少し読み手の側へも、寄り添っていただきたいところです。
たとえば〝幸城〟であるなら「こうじょう」とも「ゆきしろ」とも読めますからね。私は〝晄〟を「コウ」と呼んでおりますが、後ほど「実は『ヒカリ』でした」と言われても、その〝
名前というものは名付けられた時点ではなく、他者から呼ばれて初めて命を持つものです。読み方がわからなければ、ずっと読み手は「これは誰?」という思いを抱きつづけることになるのです。最悪、「金髪ロリ」や「茶髪巨乳」といった「記号」のみで認識されてしまいます。読者の心に登場人物の存在を定着させるためにも、ぜひとも名前に「ふりがな」を付けてくださると大変嬉しく思います。
>第一章「平穏の日常」/第5話「昔も変わらない日曜あさ」
ここから本編といったところでしょうか。語り手の人称が〝あたし〟に変わっておりますね。軍人の家系と言っていることから、過去の話なのかもしれません。
プロローグの「渚が洗面所から櫛を取ってくる場面」などでも感じたのですが、一文が長すぎて意味が通りづらい箇所が時おり登場いたしますね。
文章への改善オプションが「あり」ですので、本編から一文を引用のうえ、僭越ながら校正させていただきます。
【 あたしの家は軍人の家系で、藤村の名字を知らないものは、少なくとも軍関係者にはいないほどで、両親共に軍人だったため、家にいることは少なかったけど、家政婦さんがいつも身の回りの世話をしてくれて、何不自由なく生活できていた。】
こうした部分ですね。「キャラ付け」とも受け取れなくもないのですが、前述のように〝渚〟の場面でもこのような長文がありましたので、そういった文章であろうと感じております。こうした「作者の癖」へ意識が向いてしまいますと物語への没入感が損なわれてしまいますので、見直していただけますと嬉しく思います。
【 あたしの家は軍人の家系で、軍関係者で藤村の名字を知らないものはいない。共に軍人だった両親が家にいることは少なかったけど、いつも身の回りの世話をしてくれる家政婦さんがいて、何不自由なく生活できていた。】
このような感じに不要な言葉を削り、一つ文章を区切るだけでも読みやすくなると思われます。こうした校正は感想の範疇を超えておりますので、今回のみにいたしますね。もしもご不快な思いをさせてしまいましたら、大変申し訳ございません。
さて、この〝あたし〟は〝藤村祥子〟という名前のようですね。描写から察するに、こちらも金持ちのお嬢様といった感じでしょうか。いかにも甘やかされて育ったという感じで、こういう子供はあまり好きにはなれませんね。はい、貧乏人による僻みです。しかしながら、〝藤本〟と名前が似ているあたりは気になりますね。
>第6話「日曜あさの現実」
どうやらこの世界には〝日本軍〟があり、〝平成三十一年九月一日〟に大きな出来事があったようですね。我々の世界では平成31年4月30日までしかありませんでしたので、パラレルであることが理解できて非常に良いですね。
ちなみに自衛隊は「軍」ではないので、どれだけ人道的な平和活動をしようが海外では「武装組織」のカテゴリです。そのため国際法による軍隊の保護すらも受けられません。もしも海外で自衛官が捕縛されれば「テロリスト」扱いですね。いかに彼らが厳しい状況の中で日本を守ってくれているか、改めて考えるべきですね。
はい、こうして日本を舞台としたリアルな話が出てしまいますと、どうしても感想が横道に逸れてしまいます。ですので、ああいった大量のルールを敷いております。気を取り直して思考を物語へ戻しましょう。
この日、晄と同種の〝アグレッサー〟らが地球を侵略にやってきたようですね。しかしながら、日本軍に所属する〝魔法少女〟の活躍により、侵略者たちを撤退させることに成功したとのことです。要約するとこれだけなのですが、この場面はパニックになっている映像が容易にイメージできました。非常に良い導入であると感じます。
その後、大きな傷痕を残しつつも復興した日本では、こうした「魔法少女アニメ」がプロパガンダとして用いられているようです。非常にリアリティがありますね。
そして前回登場した祥子の母親は〝見殺し〟にされてしまったとのこと。恨みを募らせた祥子は「闇堕ちした魔法少女」という立ち位置になるのでしょうか。現在、高校生ということで、おそらく渚たちとも同年代であると思われますからね。
>第7話「魔法少女と呼ばれた幻想」
視点は渚へと戻り、復興中の街の様子がテレビで放映されているようですね。この渚も高校生らしく、軍に対して敵意をいだいているようです。そういう思想に惹かれてしまう年頃ですからね。かつての私もそうでした。しかし大阪環状線の一部が崩壊しているということは、この世界での私は、おそらく生きておりませんね。
>第8話「気になる人」
日本に対する文句を言う渚の場面から開始ですね。これに関しては根底に愛国心を感じますので、不問ということにいたします。何を見ているんでしょうね、私は。
どうやら祥子は渚と同じ高校に通っているようですね。すっかり闇に染まっております。幼少の頃の描写も相まって、はっきり言って大嫌いなタイプです。恵まれた金持ちがどうなろうが、知ったことではありませんからね。彼女に執心の渚には悪いのですが、祥子の場面は読み飛ばしてしまいます。
>第9話「クラスメイト」
朱音と渚の会話シーンからの開始ですね。私は渚の好みに、まったく同意できません。オプションの〝退場してほしいと思った登場人物〟に挙げさせていただきます。
もしも企画ではなく、私が自発的に拝読していたのであれば、今回のエピソードで読書断念しておりますね。それくらいに嫌いです。
>第10話「テンプレートはいつの世も」
しばらくは祥子、もとい藤村さんが物語の中心となりそうですね。さらに男子生徒にも絡まれてしまう始末。ギスギス展開が続いてしまいそうですね。
申し訳ないのですが、私の作品世界への没入感は、すでに限界にきております。
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さて、〝第10話〟とキリの良いところであることと、感想の文字数も4000字を越えましたので、各エピソードの感想を終えさせていただきます。あとは次のページにて、各オプションに基づいた感想のまとめを述べたいと思います。
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