第20話:阿弥陀如来とアントニオ猪木

「永観、遅し」

阿弥陀如来にそう言われそうなくらい、立ち止まり、漫然と暮らしてしまった。


「漫然と」という言葉でしか纏まらない。

漫然とした暮らしのさなか、漫然と思いが溢れた。

漫然を漫然で割っても、それはただの漫然のストレートだ。

そんな「当たり前の整理」ができたことを、少しありがたく思う。


「流れの止まった私のプール水」も、凡そ抜くことができたと思う。

水が抜けたらきれいに洗って、壊れたところを見つけてメンテナンス。

そのあとはまた「その時」に向けて、新しい水を張らなければならない。

大磯ロングビーチが、私に見せてくれた順番のようにやるだけだ。


勇気をもって、「今年は仕舞わずに捨てる半袖」をいくつか選ぼう。

新しいなにかを始めるために。



~ おわりに ~

夏が終って、秋が始まり、すぐに冬が来る。

春が訪れ、また大磯ロングビーチがオープンします。


「元気があれば、何でもできる」

偉大なるアントニオ猪木の教えをこころに、来夏また。


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大磯ロングビーチとともに、夏が終わるのです。 花尾歌さあと @atoryo

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