第15話:五十三次の8番目
「大磯ロングビーチ」
なんとも素晴らしいネーミングだ。
「大磯ロングビーチ」
もう一度言ってしまうくらい、素晴らしい。
「大磯」という地名に「ロングビーチ」を紐づけた素晴らしさが、感動だ。
なんの捻りもないが、シンプルに美しい。
名付けた人が、どのような意図のコピーライティングをしたのかは計り知れない。
勝手な妄想をしてみる。
可能性としては「大磯ロングビーチ」ではなく、「大磯ビッグビーチ」でもよかったはずだ。
この場合、「大金持ちの大屋敷」感が出てしまう。ちょっと嫌味で馴染めない。
「大磯シーサイドビーチ」だった場合、
「長机に合わせたロングチェア」感が否めない。余分さと当たり前感が出てしまう。
ありえない話だが、地名が「大磯」ではなく、もしも「小磯」だったらどうだろう。
「小磯ロングビーチ」
「製造の過程で出た大小切れ子の詰め合わせ」感が半端ない。
個人の感想だ。
「大」と「ロング」、「磯」と「ビーチ」の似て非なる感。
ここなのかなぁ、と思う。
本当に素敵。
音もいい。「大磯ロングビーチ」
「東海道中膝栗毛」と同じくらい、ステキな音だと思う。
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