DOLL

究極の丸

第0話 黒い影

 草木も眠る丑三つ時、天上に月が昇り、雲に覆い隠された夜闇の中。


 


 とある山奥にひっそりと佇む。


 愛を確かめ合うために建てられた施設。




 今は誰にも顧みられずに、廃屋とかしているその施設内の、とある一室。

 そこには、異様な影が暗闇の中、蠢いていた。




 影は、くちゃくちゃと音をたてながら、を食している様な音を出す。




 くちゃくちゃ、くちゃくちゃと。


 影の周辺にはの欠片が散らばっている。


 それは、新鮮な肉のように赤い液体を滴らせる。



 影はまだ咀嚼音を繰り返す。くちゃくちゃ、くちゃくちゃ…、と。










 


 ふと、音が鳴り止んだ。

 










 影は、面らしきものを上げ、赤い液体が滴る、口の様なものを開き

 

 




一言つぶやいた………。









 「マダタリナイ」

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