どちらでも


草木と土が濡れ始めてる

風が運んだその香りに

顔を上げ窓を見る

静かな雨が降っていた


もうすぐ夏が始まりそう

外灯に集まる虫を見遣り

掠めた記憶の中で

君の服がはためきだす


着崩した制服 肌を焼く暑さ

分け合ったアイスも ねえ

うんと遠くに行ってしまった



出会ったことを後悔して

戻れない傷を増やしあって

誰かと何かのせいにし合う

悲しい生き物だけどさ


終わったことだと笑えるんだ

今の君を知らない事が全てだ

胸の奥底が寒いけれども

丸ごと抱えて生きてく



まだ あの薬は飲んでる?

頭の痛みに項垂れて

そのくせ稲光ではしゃいだ

君は今この時を

どう過ごしてるだろう



出会ったことを後悔して

戻れない傷を増やしあって

誰かと何かのせいにし合う

悲しい生き物だけどさ


終わったことだと笑えるんだ

今の君を知らない事が全てだ

胸の痛みは消えないけど

寂しさごと僕は生きてく

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る