第114話

あ、もう空っぽかぁ。


湯呑みの底を眺めながら、沖田が呟く。



「なぁ…。」



そんな平和な瞬間の彼に、蝶はなんとなく聞いてみたい事があった。



「はい?」



「斎藤ってどんな人なんだい?」



「一くん?」



蝶が斎藤と関わる事は、他の幹部と比べるとほとんど無かった。



随分無口な男だと思っていたが、先日はかなり良く喋ってくれた。



本当に掴みどころのない男だと思う。



「見たとおりですよ?真面目だし、頑固だし、背は低いし、小言は多いし、背は低いし。」



「身長の事ばっかりだな。」



実際、斎藤はあまり高身長ではない。



が、一つ言うなら沖田の身長が高過ぎる。



「蝶さんは一くんの事どう思います?」



「うーん、少し苦手だな。真面目で、お節介で、背が低くて…。」



その時だった。




チャキ…ッ



蝶の耳に、刀の構える音が聞こえたのは。

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