第113話

「…ふーん。」



非番じゃなかったら追い返せるのに。


なんて失礼な事を考えながら、お茶を飲む。



ひんやりとした感覚が喉を通って、身体が一気に冷えた気がする。



「この前の戦、どうだったんですか。」



「どうって?」



四日前の戦場について、沖田は結果しか聞かされていないらしい。



ここぞとばかりに、詳しく聞きたいという本音がだだ漏れだ。



「…まあ、私は他とは別行動だったしな。あまり知らない、他に聞いた方がいいと思うけど?」



「なーんだ、つまんないです。」



「君は、少しは建前ってものを覚えた方がいいよ。」



以後気をつけます、なんて口では言ってるくせに反省なんて少しも見えない顔で、沖田もお茶を啜る。



「面白い話とかなかったんですか?」



「戦に出て面白いことがあるもんか。」



「じゃあ、今作って。」



「君それでいいのか。」



「だってー、暇なんですよー。」



ゴロゴロと、部屋の中で寝転がる沖田。



およそ他人の部屋で出来るような態度ではない。



図々しい男である。

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