青のベランダ
七慰 燈矢
プロローグ
昔から、俺の両親はあまり仲が良くなかった。
毎日喧嘩をする二人を見ていれば人間関係なんてこんなものかと思うのは当たり前で、関係を深めた先があれならもういっそ誰とも関わらずに生きた方が楽なんじゃないかとすら思えてしまっていた。
両親から離婚の話を聞かされた時はだろうなと冷めた気持ちで聞いていた。
以来、人間関係というものにマイナスな思考を持つようになった俺、桜田湊は他人に期待せずに生きてきた。
恋愛なんか以ての外、恋愛の先にあるのが地獄だと考えるととてもじゃないが異性に興味を持つなんて天地がひっくり返ってもないだろうと思っていた。
思っていたはずなのに、
人生というものは、運命というものはそう単純なものではないという事を俺は思い知る事になった。
そう、あれは確か高校二年生への進級を前日に控えた春休み最終日の出来事だっただろうか、あの日俺の運命の歯車は大きく動き出した。
青のベランダ 七慰 燈矢 @touya718
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