第51話

2段目はゲームのカセットがたくさん入っていた。お、これは。と思い一つ一つパッケージを開けていく。




12枚目のパッケージを開けると、当たりだった。



鍵が見つかった。



なぜこんなところに? と思った。




上手くいきすぎて怪しいけれど、足枷の鍵穴に差し込んでみると、カチャと音と共に拘束が解けた。



とりあえずそのまま3段目もみてみるが、ゲーム機が入っているだけだった。




足が軽くなったので、とりあえずキッチンルームへと移動する。



食器もコップも2人分しかない。



元々は神谷の両親が使っていたカトラリー類を2人分だけ残してもらったのだろうか、新品というには年季が入っているし、冷蔵庫も型の古いタイプのものだ。



一人で黙々と部屋を探索していると、''ゴトッ''という物音が聞こえた。




初めは、神谷が帰ってきたのかと身を構えたが、どうもそうではない。




キッチンルームの向こう側、つまり壁をへだてた隣の部屋の物音だと分かった。ほんの微かではあるが子供の泣き声も聞こえる。




結構壁は分厚く設計されているらしく、そこまで気になる音ではないが







それより、何より、悲鳴に近い異常な泣き声を上げていることが気にかかった──────。

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