第7話

「まあ、いるわけないよなあ」



辺りをさまよってみたが、宮さんはいない。まあ当たり前か。





うどん屋の前で立ち尽くす。昨日は雨宿りさせてもらったし、何より出汁のいい匂いがして今にもお腹が音を立てそうだ。




うどん食べて、会社もどるか。




少しの寂しさを持て余して、のれんをくぐった。

テーブル席はいっぱいでカウンターだけが空いていた。



せっかくの昼休みなのに、歩き疲れた。



席についてせかせかと働くおばちゃんを横目にメニューを見ると、種類は結構豊富だった。




何にしようかなあと、迷っていると



「あ、昨日のひとだ」



隣に腰をおろしたのは宮さんだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る