旧校舎のうわさ
rio
第1話 噂
「ねぇ、知ってる?旧校舎の噂話」
これは、私の友達が近所のおじいさんから聞いたお話です。
そのおじいさんも私たちと同じこの高校に通ていたそうです。
おじいさんの時代はまだ旧校舎が使われていて、その当時はきれいな校舎だったようです。
ある日、こんなうわさ話が広がりました。
旧校舎には誰も知らない地下がある。
その地下には、工事作業中に亡くなった人たちが捨てられている。
そんな噂です。
ですが、物好きはいつの時代にもいるもので、その地下の扉を見つけてしまいました。
中に入ると、腐ったにおいが漂っています。
「きっと、何年も閉めたままだったからじゃね?」
そういって笑って片づけました。
懐中電灯を片手に中の探索を始めます。
すると一人の少年の足に何かが当たりました。
「おぅ!」
「いたいなぁ~」
「え、お前の足?」
一緒に来ていた子に問います。
その子は青ざめた顔で言いました。
「お、俺じゃない・・・」
二人は青ざめます。
「痛いと言っているだろう。最近の子供は礼儀を知らんなぁ。懲らしめてやろう」
二人は後ろも振り返らずに一目散に上の階への階段を上りました。
ですが、あまりに急いでいたからでしょうか。
階段を滑り落ちてしまい、そのままなくなってしまいました。
確認すると二人の足首には誰かに強く握られたかのような跡がくっきりと残っていたそうです。
それからというもの、階段で足を滑らす者、どこかで頭を強く打ち付ける者、上から何かが降ってくる者・・・。
様々な形で生徒が次々と死んでいったそうだ。
学校はそれを自殺、とはせず、工事不備による事故として片づけ、旧校舎の取り壊しが予定された。
だが、工事に携わる人たちが次々と原因不明の謎の死を告げる。
怖くなった当時の大人たちは、後者をそのままにして、付近の森を開拓して今の新校舎を作ったそうだ。
旧校舎の地下へ続く扉は今も開いたままになっている。
その扉から、様々な幽霊たちが飛び出し、旧校舎の中でさまよい続けている。
だから、もしも旧校舎に足を踏み入れるときは十分に気を付けなければならない。
あなたも、旧校舎をさまよい続けることになってしまうから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます