君はテトラポッド

影山 みはつ

第1話 君となら

寂しそうな君が


心をくれたのは


僕の心には


君がくれたから


僕は生きていける。


僕はケント。

この世界は広くて何故かこの世界は狭い。

こんな人の心が冷たいほどに僕は心が悲しくなる。

私は、ナオ。

この世界で生きている至って普通の女の子。

ケントはピコピコピコと音を立てて、「いらっしゃいませ。このお店は不思議な小物が集められています。どちらに致しましょうか?」と声を掛けた。

ナオが「ね?これ、頂戴」と手の上に載せたのは、小さな箱のオルゴールだった。

ケントが「これは、ビビビビ。すみません。停止します」とプシューと煙を吐いた。

ナオが「あの、すみません。この機械の電源が切れたみたいです」とお店の奥に目をやった。

シュウケイと言う白髪頭のおじさんが笑顔で「ああ、すみません。こちらは、ロボットでしてショートしてエラーになってしまいましたので、後ろの電源ボタンを押して頂けますか?」と話し掛けた。

ナオは「はい。ありがとうございます」とお辞儀をしてボタンを押した。

その後にプシューと煙が出て来て、ケントが「あ、すみません。先程は電源がエラーで勝手に切れてしまいました。申し訳ありませんでした」と声を掛けた。

ナオが「このオルゴールお願い致します」とケントにオルゴールを渡した。

ナオはケントに「ありがとうございます」と握手をして来た。

ケントは「いえいえ、私の方こそ、助かりました。ありがとうございました」と赤い顔をしてナオを見送った。

そうしてケントは機械ながらに笑った笑顔や、心を持ったナオに似合う男の子になりたいと願うようになっていた。

小さい光が大きくなって、女神様がケントの前に立ちはだかった。

女神様が「ケント君は、あのナオちゃんに似合う男の子になりたいのね」と微笑んで居た。

女神様が「じゃ、その願いを叶えてあげましょう」と杖を振るとケントの身体はみるみる人間になっていった。

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