義理義理な兄妹

リンゴ売りの騎士

第1話



 ――よく晴れた日の昼頃、俺は自分の部屋から出て階段を降り、リビングへと向かう。


 何を食べるかと昼食の内容を考えていると、パジャマから着替えてもいない妹とリビング前の廊下で出会う。


 白の緩いスウェットとあちこち跳ねた髪から、やっと起きてきたのかと俺は呆れた。



 「………こんな時間まで寝てるとか、とんだパジャマっ娘だな」


 「なにか勘違いしてない?これが私の正装なんだけど?」


 「おっと、どうやら言葉が通じないようだ」


 「ていうかさー、ぶっちゃけ嬉しいでしょ?私みたいな超絶美女のパジャマ姿見れてさー?」



 そう言いながら緩いスウェットの胸元をパタパタとわざとらしく動かす。


 なるほど確かに、客観的に見て真珠のような白い肌に整った顔立ち、出るところは出ているスタイルのいい女性ではある。


 しかし……妹である。頭に義理なんてのもつかない、正真正銘の妹である。



 「ハッ、実の妹のパジャマ姿で喜ぶ兄なんて居ねーよ……つーか、美女は自分で美女なんて言わねーんだよ。分かったか? 普通少女?」


 「は、はあっ!? どこがだし!! ガチで美女じゃん私!! ………ははーん、さてはお兄ちゃん照れてるね? 私が美女すぎるからってそんな照れなくてもいいのに」



 どこか小馬鹿にしたようなニヤケ面だった。


 確かに、そういう仕草も似合うとは思う。けれども……実の妹だ。今年で16年の付き合いになる。



 「……美女ねぇ………はぁ」


 「ちょっ、何その反応!?………分かった、そこまで言うならっ!!」



 妹は突然ズボンのすそをまくり上げ、瑞々しく玉のような肌を晒す。リビングのソファーに寝そべると、足の先をこちらに向けながら、太ももから足先にかけての脚線美を見せつけるようにゆっくりと足を動かす。


 その時のニヤケ面はまるで、『好きなんでしょ? 知ってんだから』みたいな大変腹立たしい表情だった。



 「どうよ!! この脚線美。実の兄も虜にしちゃうなんて、罪な女ね私」



 ファサッとあちこち跳ねた長髪を手でかき上げる。この前染めた、憧れの黒髪だ……そろそろ色落ちしてきている。



 「……お前、彼氏持ちの身で何やってんだよ………ああ、なるほど。さてはお前、お兄ちゃん大好きっ娘だな? いくら構って欲しいからって全く」


 「ばっ、違うし!! そんなんじゃないし!!」



 そんな照れた顔を見せるなよ。否定するほど、ホントっぽくなるだけだぞ。



 「お、お兄ちゃんこそ、照れ隠しは止めたら? さっきから脚めっちゃ見てるの気付いてるからね?」


 「………」


 「…ちょ、なんか言ってよ」


 「………ぃねぇ」


 「え? なんて?」


 「脚線美………ねぇ………はぁ」



 妹に欲情なんてしてたまるか。


 足単体で見ても欲情しな……いなぁ。いや不思議なもんで。



 「な、何その反応!? この自慢の足を見てそんな感想しか出てこないわけ!?………もういい、だったら」



 妹は自身のパジャマを捲り上げ、上半身を外部に晒す。



 「どうよ!!このクビレと胸。見えてないけど、乳首とかだってさぁ、めっちゃ綺麗なんだよ? フフフ、見たいでしょぉー?」


 「……確かに………胸も大きくて美乳でもあるな」


 「そうよ!!これまで色々と努力してきたんだ………か…ら」


 「なんだ、気付いてなかったのか? ブラのフロントホック、外れてるぞ」


 「……き」


 「き?」




「きゃあああああああああああああああああああああ!!!!!」




 大音量を朝っぱらから聞かされると、たまったものではない。


 俺は両手ですぐ耳を塞いで、その場をやり過ごすことにした。


 その声を聞いて、ドタドタと慌ただしくやって来たのは父親だ。


 御年40。


 最近、髪の毛について気にしているお年頃らしい。いや、聞きたくもないわ。そんな情報。



 「どうした!? 何があった!?」



 我が娘の叫びに、いち早く駆けつけるアロハシャツの男。


 今日は休日のため、こんな格好だ。まぁ、たまにならこういう格好もアリだとは思う……アロハは着やすいしな。



「お父さん!!」



 妹は気崩したパジャマを一瞬で戻して、親父の方に駆け寄っていく。


 ウルウルとした瞳に、親父はノックダウン。


 だらしなく頬を緩ませて、何でも言うことを聞いてしまいそうな雰囲気だ。



 「お兄ちゃんが裸になれって迫ってきたの!!」



 しかし、その発言を聞いた途端、鬼のような形相へと変わる。



「何っ!?お前本当かそれ!!」



 妹を見れば、舌を出してべぇーとしていた。見られたことに対する腹いせだろう。


 よくもまぁ、こんなにもすぐ味方をつくれるもんだと感心する。



「いやいや、誤解だって」



 俺は努めて冷静に会話を始める。しかし、親父の方はそうではなかったようで、既にヒートアップしている。



「いくら家族だからってな、それはダメだぞ!? 確かに最近は特に胸も大きくなったし色っぽくもなったけどな、それでもダメなものはダメだぞ?」



 気付け親父。妹の親父を見る目がゴミを見るみたいになっているのに。


 そもそも、俺も若干引く。



「…何の騒ぎよ、いったい……ふわぁ」



 小さな口に手を当て、どこか艶を含んだ欠伸をした人妻美人(確かに美人ではある)は、母さんである。


 人妻美人は、目に涙を浮かべ、へにょんと眉を下げている。


 娘同様、今起きてきたのだろう……髪の跳ね具合がそっくりだ。


 若そうに見えるだろう? でも実はこれで御年:/才……あれ? 御年;/才……何故か表記できない。


 まあ>/代だってこと……これもダメらしい。



「お母さーん!!」



 妹は速攻で母親の胸に飛び込む。妹は母さん、大好きだしな。



 ふにょん。



 二人とも、立派なものをお持ちなので、単なる親子のハグなのに、違う意味にも見える。



 「あら、どうしたの?」



 母さんは、妹に優しげな眼で見つめる。妹を愛していることが十分わかる瞳だ。


 しかし、そんな瞳も続く妹の発言で、一気に変わった。



 「お父さんが私を性的な目で見てくるの」



 「……あなた」



 恐ろしく低い声だった。



 「い、いや違うんだ。君は誤解している。私には何もやましいことなんて一つも」



 親父はなんとか母さんの誤解を解こうと一生懸命になっている。


 けれども実際は、母さんは単なる誤解だろうと分かっている節がある。


 単なる日常の一コマで片付くだろうと思っていた俺の予想は、続く妹のセリフで大きく外れる。



 「………私の胸が大きいとか色っぽくなったって言ってた」




 スッ




 母さんの目が一気に鋭くなった。



「ひぃ!!」



 親父は怯えている。次のターンは足がすくんで動けないようだ。



 「………あなた、お話があります」



 コクコクと頷く親父について行く以外の選択肢は無い。


 親父はそのまま、母さんに連行されていった。



 「……後で親父に謝っておけよ」



 「え、私悪くなくない?」



 キョトンとした妹は、本当に私のせいでないと思ってるようだった……まったく。



 「親父の発言に対してじゃねえーよ、アレは親父の失言だ。誤解させるように言ったことに対してだ……つーか、親父も母さんもやけに真剣度が違ったな。単なる誤解だってのに」



 「ん? お兄ちゃん知らないの?」


 「ん? 何を?」


 「私ら血つながってないじゃん」


 「唐突に何を言い出すのかと思えば………全く、そういうのは小説とかの創作物の中にしてくれ。で、何を俺が知らないって」


 ミャァー、という泣き声を出しながら、いきなり抱きかかえられたことに抗議する白猫。



 「お兄ちゃん、それミーミ。私はこっち……いやいや、露骨にそんな現実逃避かまさなくても」



 俺は両手で持ち上げていたペットの猫であるミーミを床に下ろす。



 「……冗談だろ?」


 「いや、なんでさ。ていうかお兄ちゃんが知らなかったことの方が驚きなんだけど。今更感半端ない。だから、欲情してんのかって試したわけ。いやー、血がつながってなくても長い間一緒にいると、そういう感覚無くなるんだねー」



妹はあっけらかんと言った。



 「What? Ah……OK,so……I'll return to my room……I haven't hear the talk. じゃ、そういうことで」


 「Hey,my brother ? I know your feelings but, don't away from me ふふーん、さてお兄ちゃん?」



妹は小悪魔のような笑顔で、唇を舐めた。


何するつもりだよ……。



「どう? 義理だと分かった妹の裸を見ての感想は?」



 改めて聞かれるその問いかけ。


 俺はそう言われて妹の身体を瞬時に思い出した……結果は。



 「………いや、やっぱなんとも思わねーよ。何年一緒に住んでると思ってんだ」


 「むきーーーー、馬鹿にして!! 私美人だよね? 美人って言いなさいよ!!……あ、やっぱり義理だと分かって照れたとかかな?」


 「いやいや……繰り返すけど、一緒に暮らすのが昨日今日始まったことならまだしも、一体何年兄妹やってきたと思ってんだって話だ」


 「んーと、10年くらい?」


 「正確には16年。今更異性として見ろと言う方が無理な話だ」


 「ま、実際そうなんだけどさー。私だけかもしれないじゃん、そう思ってんの」



 そう言いながら、自身の髪の毛を指先でくるくると弄り出す。


 なるほど、だからあそこまで露骨に誘惑してきた訳か。表面上は緩い雰囲気のくせに、よくやるもんだ。


 知らず知らず、試されていたという訳だ。身体の成長と一緒に、身の危険も高まってきたのだろう。



 「はぁ……お前、俺に襲われてたらどうするつもりだったんだよ。自分の身体くらい大切にしろ」


 「んんー、今の発言もポイント高い……お兄ちゃんってさ、カッコ良くて成績優秀で運動も出来て中身も良くてって感じの主人公タイプじゃん? 私的にはありなわけよ」


 「正確には器用貧乏だな……何一つ極められてもないしな。あと、成績優秀って部分、俺が高校一年の頃よりお前の方が成績上だろ。しかも、誰が主人公タイプだ。あんな風に誰からも信頼されて、尊敬されるような人間じゃねーよ、俺は」


 「うん、そう言えばそうだったね。お兄ちゃん、そちらかと言えば、欲しいものは力づくで手に入れる敵サイドの人間だものね……中ボスくらいの」


 「そこはちゃんとボスにしておけ……って違う、そうじゃない。俺は自分の欲しいものは自分の力で手に入れないと気が済まないだけだ。断じて、暴力任せに奪おうとするような輩とは違う」


 「……それにしてはこの前、なんかワルそーな人たちから頭下げられてたじゃん」


 「見てたのかよ……アレは単に感謝されてただけだ。因みにあの人らは普通の社会人だ……お互い持ちつ持たれつって感じで社会は回ってんだよ」


 「うわー、なんか大人みたいなセリフ言い出したよ………キモいんだけど」


 「はいはい………しかし義理ねぇ………」


 「なに? やっぱ私を食べちゃいたくなった?」



 そう言いながら、白のスウェットを捲って、下乳を見せつけてくる……まだブラのホック止めてなかったのかよ。


 「なるかよ。単に実感がわかねーだけだ」


 「ま、10年近くも兄妹やってるわけだしね」



 妹はそう言った途端、仏頂面を通り越して無表情になった。


 この表情が実はこいつのデフォルトだ。



 「だな、そういや朝飯………もう昼だけど、サンドイッチでも作ろうか?」


 「え?……え、え、え!?なに、なんで急に優しくなったの!?」



 と思えば、いきなりの表情転換。


 色んな表情を持っていて、案外とコイツは感情豊かかもしれない。



 「義妹効果だな」


 「なるほど、義妹ってすごいんだね………………え、やっぱ私襲われる?」



 そう言って今度は自身の身体を両手で抱きしめながら、俺から一歩分距離を取る。


 そのポーズはかえって、胸を強調する結果となってしまい、ちょっとエロくなった……かもしれない。


 

 「アホ。なんでいきなりそういう展開になるんだよ。少しは優しくしてあげてみようという純粋な兄の気持ちだろうに」


 「いやいや、今まで少しも僅かにも優しくなかった人間がそんなこと言っても信じられるわけないない」


 「このヤロウ」


 「はい怒ったー、お兄ちゃんの負け」


 「……意味わからん」


 「じゃ、罰ゲームね」


 「理不尽だ」



 こういうもんだ。妹なんて。


 義理だと聞かされても、あまり変わらないと思った。



 「じゃあ、そのまま床に這いつくばって昼ごはん食べてみてよ。私の奴隷みたいにさぁ?」



 ピキ



 俺の表情筋さんが派手に仕事をした。今頃は盛大に引きつった顔をしていることだろう。


 さて……このガキ。



 「……あ、昼飯要らねーんだな。あと、お前にもう勉強も教えねーわ」


 「ごめんなさい。すみませんでした。私が愚かでした。何卒、何卒それだけは」



 言ってから流石にやりすぎたと思ったのだろう、謝罪を口にするまでのタイムラグがほとんどなかった。



 「………ったく」



 俺は、リビングの床で土下座している妹を両手で抱きかかえた。


 167センチという女性にしては高めの身長でも、案外と軽いものなのだとこの時に知った。



「ひゃあっ!!」



 俺は妹をそのまま、テーブルの椅子に座らせる。



 ストン



 「すぐできるから、少し待ってろ」


 「………………うん」



 妹は顔を真っ赤にしながら、それだけ言った。


 ある程度出来上がってきたところで、唐突に妹は口を開いた。



 「ねえ、お兄ちゃん」


 「ん?」


 「彼女つくんないの?」


 「ああ」


 「なんで?……あ、やっぱ私のこと狙ってる? ごめんね!! お兄ちゃん。私彼氏いるから」


 「知ってる」


 「え、もしかして力ずくで私を奪う気?」


 「はははははっ!!………………ああ~、そろそろ面倒になってきた。つーか何で今日はそんなに俺に構うんだ? 珍しい」


 「はぁ? そりゃ、お兄ちゃんのこと大好きだし私のこと奪って欲しいからだし……………あ」


 「………………」


 「ご、ごめ、今のなし。気のせいだから!!」


 「なるほど、俺のことが好きだったとは」


 「お兄ちゃんの馬鹿!!なんで無視しないの?」


 「告白を無視するなんて最低な行いを俺はしない。どこぞのヘタレ主人公じゃないんだわ、俺」



 俺はそう言って妹を見つめると、妹は顔を真っ赤にしながら「ふぇ」とだけ言った。


 まあ、狙ってやってるからな。そうなってくれないと困る。



 「だからハッキリ言うぞ? 俺はお前のことが」


 「待って!! お願いだから待って!! 告白から返事までの間無さすぎだから!! ゼロだから!! あと、なんていうかタイミング間違えただけだから!!」


 「早いか遅いかの違いなだけだ。言うぞ? 俺は」


 「待って!!!! 待ってお願いだから!! だって今の状況だったら答え一つしかないじゃん!! 嫌だよ私!!」


 「……嫌か?」


 「そりゃそうだよ!! ホント最悪。もう答え聞いたようなもんじゃん。大好きだったのに!!」



 妹はもうなにもかも終わったみたいな表情で、顔を俯かせている……ああ、これは勘違いさせたな。



 「ん? いや、俺が言おうとしてたのは告白の返事をOKだということで」


 「本当? ホントウに本当? 私のこと好き?」


 「ああ」


 「それでお前、今の彼氏とは」


 「ん?もちろん、付き合ったままだけど?」


 「……ふう、どうやらこの話は無かったことに。妹が義妹でビッチだった件……ってことで、俺の失恋話を小説化しよう」



 俺は足元で丸くなっていた白猫様を抱きかかえる。



 「ミャー」



 「お兄ちゃんー、それミーミだって。そのネタもういいから、てかその小説絶対売れないし」


 「はぁー、で? 実際のところマジで今の彼氏さんのことどうすんだよ」


 「だから付き合ったままだって。キープだって、キープ。表面的なモノとかも色々あるし」


 「お前それ、彼氏さんに失礼じゃ」


 「いや、向こうも私のことキープだって思ってるし……私は多分2番目か3番目くらい?」


 「………………俺の周りにはどうやら、ビッチとヤリチンしかいなかったようだ」


 「いやいや、これくらい普通だし……というかさ」


 「お兄ちゃん、今まで女の子と付き合ったことある?」



 「……ありません」



 「まあ、流石に付き合ったことくらいはあるよね……スペックだけは高い……し……え、何? も一回言ってくれる?」


 「……ねぇーつってんだろ。俺を精神的にいじめるんじゃない。その攻撃は俺に効く」


 「ぷはははははははっ!!!! ガチ!? ガチでっ!?!? お兄ちゃん、そのスペックで!? 無いの!? 一回も!? なんなら大して取り柄もないクラスの男子とかでも付き合ってる人いるのに!? ひぃぃぃーひぃぃぃー、笑い過ぎてお腹www」


 「……付き合ってるのが偉い? 恋愛したことない奴は経験不足? お前のような恋愛至上主義の考えを押し付けるな。迷惑だっつーの」


 「ぷくくく、普通に負け惜しみじゃん、それ」


 「……うるせぇ」


 「ふー、笑った笑った………………で? なんで怒らないわけ?」


 「………………」


 「今までだったらさ、絶対キレてたよね? 好きって言った後に彼氏と別れないって言った時とかさ………………なんで?」


 「………………」


 「本気で私のこと狙ってるとか止めてよ? ここまでの流れだって普通に全部嘘だし」


 「………………」


 「ねえ、なんか言ったら? 拗ねてんだったらキモすぎ」


 「……はぁ、アサミ」


 「名前呼びとかもキモいから」



 「……そろそろ学校に遅刻するぞ?」



 「…………え、やば………………え!? ガチの奴じゃん!? これ!! あ、ご飯まだ食べてない!!」



 パタパタと慌てて用意しだす。



 「いってらっしゃい」


 「はあ!? お兄ちゃんも学校でしょ!?」


 「俺今日、創立記念日で休み」


 「このっ!! ああーもう!! その余裕そうな態度が腹立つ!!」



 玄関の方へ駆けていく妹を見送りながら、俺はマグカップに入ったポタージュをゆっくりと呑む。



 「あ、お兄ちゃん」


 「ん?」


 「義理ってのはマジだから」


 「ブファ!!」



 盛大に中身を噴出し、床に飛び散る。



 「あはははは、きったな!! じゃーねー、行ってくる」



 パタン



 「……女優になりたいからって、演技の練習だったはずだろ……。ったく、回を重ねるごとに上手くなってきやがって……全く、どこまでホントなんだよ」



 俺はそろそろ頃合いだろうと考えて、両親を呼びにく。たまの休日くらいは俺が昼飯を作ってあげたい。



 「……ついでに義理って話、マジなのか聞いとくか」



 両親に聞いた結果……マジだった。

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