第16話

雪斗くん、お願い、聞いてくれる?












雪斗くんには好きな人がいて、私を好きにはならないこと、こういう関係で申し訳ない気持ちがあること、そんな話をした。


というか聞き出した。



なんとなく、わかってはいたけど。



私が耐えられなくなった。


雪斗くんと恋人になりたいと思ってたから。




だけど、叶わなかった。




雪斗くんはあの子と幸せになるんだろう。



そのとき私はあっさり切られる。


しかもはっきりとは言わずに連絡が途絶えるんだろう。



今回みたいに1ヶ月待ち続けた私は一体どれだけ待つんだろう


そんなの悲しすぎる。




だったらもう私が終わらせる。



せめて、最後に、最初で最後のわがままを聞いてもらうんだ。







ー怒らないでよ、雪斗くん。ー





触れたくてしょうがない


私は雪斗くんの腕に触れる




怒ってはないけど




なんてあからさまなこと言う雪斗くん



ふふっと笑ってみた





ー私ね、もう会わないって決めたー





まぁもちろんだけど、大して驚きもしなかった雪斗くん


なんで?ってきっと興味もないくせ聞いてくれたから、


正直に話した。


雪斗くんの話も聞いた。




私、泣いてた。





だから、わがまま聞いてねっ…





って。雪斗くんは涙を拭ってはくれないけど、大好きな人。





さようなら…











私のこと、好きなふりをして、

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