第2話

香菜は可愛かったから、いつも男子学生の取り巻きが周りにいて、僕は実は気もそぞろだった。でも香菜はいつも退屈そうだった。


ある日、帰りが一緒になった日があった。雨が降っていた。香菜は僕が傘を持っていないことに気づいたのか、


「一緒に入っていく?」と言った。え?と思った僕の思いを置いて、「いいじゃん、帰り道、一緒なんだし…さ?」と腕を組んできた。

ビックリして、香菜を見ると、顔を真っ赤にしていた。ぐっ!意外だ!なんて可愛いんだ!


僕が思わず顔を真っ赤にしていると、それに構わず髪をいじりながら

「別にいいじゃん……。相合傘なんて、後ろから誰か分からないわよ」としどろもどろに言っていた。


「ダメですよ!取り巻きたちに見つかったら!」と言うと、香菜は


「翔、元々、私の幼なじみじゃない。だから、大丈夫」と言われ、泣く泣く従った。

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