「SNSの利用に明確な年齢制限を設ける必要性ある?ない?

白鷺(楓賢)

本編

SNSは今や、生活の一部となっている。子供から大人まで、幅広い世代がスマートフォンやパソコンを通じて、気軽にアクセスでき、情報発信やコミュニケーションを行っている。しかし、その利便性の裏には、深刻な問題も潜んでいる。誹謗中傷やデマの拡散、さらにはいじめや犯罪に関与する危険性が増しているのだ。


多くの人がSNSを「時間潰し」に使っていると感じる。特に若年層では、ただ受動的に情報を消費するだけの利用が目立ち、実質的に得られるものが少ないのではないか。SNSを通じて、自分を磨いたり、新しい知識を得たりする人もいるだろうが、受動的に使うだけでは自己成長は難しい。そして、無駄に感じる時間が積み重なり、終わってみれば何も残らないということも少なくない。さらに、SNSは心無いコメントやデマが飛び交う場であり、特に匿名性が高い場面では、攻撃的な言葉が簡単に発せられ、被害者の心に深い傷を負わせることがある。


また、デマの拡散という問題も無視できない。災害時に正確な情報が求められる中、SNS上では多くの嘘や誤情報が拡散され、本当に必要な情報が埋もれてしまうことがある。私自身、災害時にそういった投稿を目にしたことがあり、非常に危険だと感じた経験がある。正確な情報を得るためのツールであるはずが、その反面、不確かな情報によって混乱が生じることも少なくない。


これらの問題を背景に、SNSに年齢制限を設けるべきだという意見がある。子供や若年者がSNSに触れることで、犯罪やいじめに巻き込まれるリスクは高い。また、SNS中毒の問題も深刻で、目的もなくダラダラと利用することで、時間だけでなく精神的なエネルギーも浪費される。強制的な制限を設けることで、そうした無駄を減らせるのではないかと考える。


しかし、年齢制限を設けることが果たして万能な解決策なのだろうか。同じ年齢でも、しっかりとSNSの危険性を理解している人もいれば、まだそのリスクに無自覚な人もいる。年齢によって制限することが果たして公平なのか、という疑問も残る。SNSが目標になっている子もいるだろうし、学びの一環として利用している人もいる。単純に「若いから」といって一律に制限することが、必ずしも正しいとは言えない。


それでも、私自身の経験から言えば、何らかの制限は必要だと感じる。私はSNSに依存していた時期があり、毎日のようにダラダラと観ていたが、それによって得られる満足感はほとんどなかった。むしろ、時間を無駄にしていたという後悔の方が大きい。今では、SNSから距離を置いてみて、そのマイナス面をより強く感じるようになった。だからこそ、一定の制限があった方が良いのではないかと考えるのだ。


しかし、実際にSNSに明確な年齢制限を設けるのは難しいだろう。現実的には、SNSは既に無法地帯のような部分があり、誹謗中傷やデマの問題に対しても、まだまだ十分な対策が取られていない。最近では、ようやく開示請求や誹謗中傷に対する賠償が話題になるようになったが、それでも人の尊厳を守るための体制はまだまだ整っていない。


だからこそ、SNSの利用についてもっと真剣に議論する必要がある。SNSが本当に必要なのか、安全に利用するためにはどうすれば良いのか。子供や若年者が犯罪やいじめの被害に遭わないようにするためには、どのような体制が必要なのか。そして、SNS中毒に対する処置についても考えなければならない。議論を活発化させ、より良い形でSNSを利用できる社会を目指していくことが、私たちに求められているのではないかと感じている。

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