第28話

不思議と死にたいとは思わない。


思った時期もなくはない。


絶望しているといったらしているけど、それなりに楽しいときもある。


自分一人だったらここまで生きていない。

真っ先に死を選ぶ。


だけど、私にはまだ味方がいると思い知らされた。


救われているのに、それに反した感情を持つなんて最低だと私は思っているから。


それに守らなくてはならない人もいるし。


シャワーだけを浴び、利人と藍人の元へ戻った。


「ただいま、」


「おかえりー」


「ねーえ、凛寧。ゲームしよ?新しいホラーゲーム買ったんだぁ」


戻ってきて第一声がそれか。

あななたちは一体何時間ゲームしたら気が済むの。

それに、さっきやっていたのもホラーゲームだった気がするけど?


「まだ髪乾かしてないからそれ終わったらね。あと2人がお風呂入ってから」


「わかったー。行こー?」


私と利人と藍人は同い年。

18歳。

あの2人はいつも一緒にお風呂に入る。


幼子なら一緒に入るのもわかるけど、18にもなって一緒に入っているのは利人と藍人くらいなのでは、と思ってしまう。


人それぞれだろうから何も言わないけど。

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