第13話

「作戦なんだけど、決行は1ヶ月後よ」


「そんな早く!?」


「中国マフィアの裏会議みたいなのがちょうど1ヶ月後に開かれる。そこに侵入して凛寧を救出する」



月花さんの提案に不安を感じるも、ここしか機会がないのかもしれない。


ビビってないで腹を括らなければ。



「凛羽」


「はい」


突然、輝夜さんに名前を呼ばれ姿勢を正す。



「凛羽は、1ヶ月後も凛寧が無事だと思うか?」


「…何とも…ただ、信じるしか、」


「考えたんだ。なんでここまでする必要があるのか」



輝夜さんの発言に俺は頷く。


それは俺も感じていた事だからだ。



なぜ奴らは凛寧に拘る?


如月との間の契約か?

だが、如月組はもう壊滅しているし、唯も組長も処分済みだ。



ここまで継続する義理は向こうにはないはず



「ただ単に、凛寧が欲しかっただけだと思ったんだ」


「…というと?」


「凛寧は言われた命令は必ずこなしていた。どんなに酷なものでも。そんな人間が欲しかったんじゃないかと」


「…奴隷として扱うためにね」



月花さんのはっきりした物言いに腰が抜けそうになる。

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