第28話
この年くらいの子って、彼氏探しに躍起にまではならなくても、あえてセフレだけで良いってどういう事だ?
何人もセフレいるのか?
もしくは彼氏も別にちゃんといて、浮気相手と彼氏とは出来ねえいけないプレイを楽しみてえとか?
女心なんてこの年になっても分かんねえけど、この子はさらに分かんねえ。
「探すのは彼氏?セフレ?」
「え?何でですか?」
怪訝そうに言いながら奈々ちゃんは立ち上がってカウンター内に入り、俺に新しいビールを少し掲げて見せてくれた。
「ありがと」
俺の言葉を聞いた途端、もう一本同じビールを冷蔵庫から取り、栓抜きで開けると一本を俺に差し出し、一本を俺の前に宙に浮かせて持っている。
「乾杯しましょっか?」
「うん。乾杯」
そう言って、どちらからともなく瓶を合わせるとチンと高い音が静かに聞こえた。
「で、さっきの話の続きですけど別にどっちも探すとかないですよ」
「他に本命がいるとか?」
「いや?いないですけど」
クールに言い放ちながら、元いた席についた奈々ちゃん。
ストンと座った瞬間に、サラサラの髪の毛が胸元で静かに揺れた。
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