第26話

「そっか。まぁ、アイツしつこそうだし気を付けなよ」







まぁあそこまで清々しく振られたら吹っ切れるか?


いや、そんなのは人それぞれだからな。









「それは大丈夫だと思います。彼が知ってるのって、名前くらいだし。電話ももう着信拒否したしLIPEもブロックしたので。合コンの時の友達には何があっても私と繋げないように連絡もしたので大丈夫だと思います。」



「え?」







待て待て待て!付いていけねえ。



どういうことだ?それしか知らない?









一般常識が俺には通じねえとかじゃねえよな?こんなの普通じゃねえよな?










「あの男は奈々ちゃんの職場も職業も住んでる所も誕生日も何にも知らねえの?それでプロポーズ?」








焦りすぎて、言葉悪くなっちまったじゃねえか。









「そうですよ。セフレにそんな情報いらなくないじゃないですか?」



「そうかもだけど。じゃあメシとかデートも行ってないの?」



「合コン以来、今夜が初めての外食で、部屋以外で会うのも初めてでした」



「まじっすか?」



「まじっすよ」



「合コンっていつあったの?」



「去年の7月だったから、8か月前とか?9か月前とか?」







指折り数えながら時間の計算をしている彼女を横目に、最後の一口のビールを煽った。

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