主要な登場人物・用語
主要な登場人物
■フェルマータ・ルークライト(20)
【ヒロイン・元聖女】
蜂蜜色の髪に碧眼。
3年前までは、王族専属の守護聖女であり、王子と婚約もしていた。
王子を庇って【死神】の呪い(20歳の誕生日に命を落とす)を受けてしまい、守護聖女の役を解任され、さらに婚約も破棄される。
優秀さを自負しているためプライドが高く、呪いを受けた自分を排除した王子や国を恨んでいる。
それ故に「生」への執着が強く、呪いを解いて皆を見返してやりたいと思っている。
聖職という職業柄、王子とは婚前まではプラトニックな関係でいたために、実は男性との接触経験がほとんどないが、悔しいので恋愛マスターのフリをしている。
処世術に長けており、愛想のいい聖女顔と、やさぐれた魔女顔を使い分ける。
自分と違い、ヴォルフがあまりにも純粋な心を持つため、羨ましさや憧れの気持ちを抱く。
神聖力を用いた神聖術で、傷を癒すことができる。
呪われている証である【砂時計の刺青】(砂がほとんど落ちてしまっている)が背中に刻まれていることがコンプレックス。
■ヴォルフ・ブレンネル(28)
【ヒーロー・辺境伯・騎士】
黒髪に金色の瞳。右目に眼帯。
他人にも自分にも厳しく、ツンギレな態度を取る。敵に対しては、無慈悲。
敬愛する兄に対しては無類の信頼を置き、神のように崇めている。それは兄が死んでも変わらず。
【死神】の呪い(不老不死)を受け、200年生き続けており、兄を追って殉死することができない絶望と苦しみで、さらにブラコンをこじらせている。
兄のために領主の地位を継ぎ、兄のために領地を治めている。
異名は【不死の狼騎士】。人々から化物のように畏れられているが、本人は気にしていない。
側近には信頼を置き、対領民への対応や雑務は全て一任している。
人を疑うことをしない代わりに、裏切りを許さない。
兄以外の者への興味が薄いため、恋愛経験がないし、興味もない。恋愛指南書の中身を理解せずに、淡々と実行できる。
どうせ死なないからという理由で、食と睡眠をロクにとらず、戦い方も自身を囮に使いがち。怪我が多い。
手の甲にある【砂時計の刺青】は、砂が満タン状態。
■レドリック・ハーマイン(35)
【男性・ヴォルフの側近】
紅髪のオールバックに翆眼。
紳士的だが、計算高い性格。
ヴォルフに代々仕えている一族の生まれで、彼の数少ない理解者。生まれた時からずっと、ヴォルフの傍にいる。
ヴォルフを孤独から救いたい思いから、「愛されることで呪いが解ける」という嘘をつく。
表舞台に立たない主人に代わり、公の政治をこなし、領民たちから慕われている。
■ブルーナ・ハーマイン(25)
【女性・メイド・レドリックの妹】
蒼髪のショートボブに翆眼。
呪われているヴォルフのことが不気味で恐ろしく、常に屋敷を出たいと考えている。
ヴォルフを慕っていた父や祖父、忠誠を誓っている兄のことが理解できず、反抗的な態度を取る。
呪われているが、明るく前向きなフェルマータを接することで、被呪者への認識が変わっていく。
■ケビン・ナギアス(22)
【ナギア王国の王子】
銀髪に赤い瞳。
見目麗しい自覚があり、完璧な王を目指している。
美しく、優秀なフェルマータを手元に置くことで優越感を得ていたが、彼女が呪われてしまったために「価値なし」と判断する非情さを持つ。
呪われた者のことは、同じ人間と思っていない。
■レオン・ブレンネル(享年32)
【ヴォルフの兄】
黒髪に金色の瞳。
優しく、おおらかな性格。人付き合いが苦手な弟のことをいつも気にかけていた。
200年前、【死神】討伐戦で死去。
用語
■ナギア王国…物語の舞台。剣や魔法で魔物と戦い続けている。
■【死神】…死の呪いを振りまく神。200年前から討伐対象となっている正体不明の魔物。眷属の魔物を生み出すこともできる。
■守護聖女…王族を守る最上級の女性聖職者。
■【砂時計の刺青】…呪われた者の身体に刻まれ、寿命を砂の残量で示す、生きた刺青。
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