第36話
『あー…また、知らない番号から着信』
彼専用スマホ…っだと思っていたハズのそれは、連絡先が海吏と母親だけになってからとても扱いづらいアイテムへと様変わりしていた
「あ?貸してみろ、俺が出てやる」
私の手の中からスマホを取り上げた海吏サマは黙って通話ボタンを押す。
「──………は?お前誰だよ。芹の友達?あぁー…芹はいま、流行病で寝込んでるんだ…だから"同窓会"には参加出来ない─…は?俺?行かねーに決まってんだろ。……監禁っ?してねぇよっ!!!うるせぇな、二度と芹に連絡してくんじゃねぇ、クソアマっ!!」
私のスマホを遠くへ放り投げた海吏くん
─…っえ…電話誰だったの?内容的に絶対私の友達だよねっ?!
小学校から一緒の私と海ちゃん。お互いの交友関係はだいたい把握している。おそらく海吏も知っている私の友人からの着信だったハズ。
「──
ハルちゃんだったのか、1番の私の親友じゃないか。ハルちゃんは海吏のことをなぜかとても毛嫌いしている。「あの男はヤバいから、殺される前に離婚した方がいい!」っと、会う度にいつも謎に心配されている。
『ハルちゃん、なんだって?同窓会って聞こえたけど…海吏くんも一緒に誘われたの?』
「──は?なに人の会話盗み聞きしてんだよ、盗聴は立派な犯罪だぞ芹菜。現行犯逮捕、手錠持ってくるから待ってろ愚民」
いや、そもそもあれは私のスマホですよね?!
っえ…っていうか手錠って、まさかっ!
束縛ごっこ、開始の合図デスか?!それは幸!
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