第34話

──…仕事終わり




進藤さんにもらったモノを落とし物コーナーに預けて、一人会社を出る






待ち合わせて海吏と一緒に帰宅…なんて甘いエピソードは存在しない。あくまで家に帰るまでは…他人。







───っていうか、今思えば






私のスマホ、ヤバくない?!






っえ、連絡先が海ちゃんだけって!(母もいる)





こ、これはもしや─…っ?!






『─…彼専用、スマホっ?!!』





うわっ、海吏専用のスマホってこと?!海吏しか居ない、海吏にしか連絡できない、海吏以外から連絡が来ないっ!!!(そんなことない!)






『っう、うれしいっ─…』






だって海吏くん、それ程までに私のことが好きでしょうがないってことだよね?






急に─…手の中にあるスマホがとても愛おしいモノに思えてくるから不思議である。





『帰ったら海ちゃんにお礼言おう!!』





連絡先、消してくれてありがとうって!










『っあ、海吏くんおかえりなさい!』

「あぁ…ただいまって…お前何でそんな

嬉しそうなの?俺まだ怒って、、」

『海ちゃん、私のスマホの連絡先!

全部消してくれてありがとうっ!』

「───…は?何言って、」

『"海吏専用スマホ"嬉しい、大好き!』

「(この女、バグってんな?まぁいいか。

俺としては好都合だし?)」




しかし、この"海吏専用スマホ"

後にとんでも無い事件が起こり

呆気なく終了することになる。

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