第2話 始まりの恋心(1)
小さな島国の内で様々な思想がぶつかり合い、傷つけ合った幕末。
人々の心は荒み、多くの怨嗟が生まれ、恨み辛みが至る所で溢れていた。
そうして積もり募った負の念は、二百年ほども続いた平和によって力を失いかけていた物の怪共に力を与えてしまった。
その結果、人は人だけでなく、物の怪共に淘汰される様になったのである。
だが、その禍々しい事態が突如転機を迎える事になった。
新政府の樹立、西洋の流入。明治と言う新時代の到来であった。
強引に作り変えていく変化によって、人も、物の怪も、内だけの争いを繰り広げている場合ではなくなったのである。
そしてそれは、人よりも物の怪の方が酸鼻を極めた。渡航してきた西洋のあやかしに自らの住処を追われ、淘汰される様になったのである。
物の怪共は自らを確固たるものとする為に、西洋のあやかしと激しく争い始めた。無論、西洋からのあやかしも、やられるものかと迎撃に当たった。
その戦いに巻き込まれ、人の怨嗟が重なっていく。それが、彼等の力の源となり、利用されている事も知らずに。
そうして滾々と連なる負の連鎖によって、幕末期よりも小さな島国は荒れに荒れていった。
これではいけない。と、新政府を樹立するに一役を担った
人々の為、そして日の本の治安を平定する為に、彼等聖陽軍は力を振るう様になったのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます