第4話 開かずの森

夜も更けて深夜十二時になろうとしている頃だった。行くとは言ったけど、勇気は未だに少しも出ない。友達が行くのに。


しかしそれは仕方ない、開かずの森なんだから当たり前だ。開かずの森は立ち入り禁止の場所なんだからな。


まあ僕が行かなくても大丈夫だよね。相当怖くなって僕は一時になっても部屋にいた。


勇者の孫なのに。しかし誰が勇者の孫に転生したいなんて言ったんだ?思ってもいないんだから。


ただ弱虫扱いされるだけだろう、そう楽観的に考える事にした。


弱虫だから何だ?!そう言えば良いんだよ。本当に弱虫だからな。僕は前世でも弱虫だった。幽霊が怖いし、力が強そうな人や、喧嘩が強い人、それらが怖かった。


勇者の孫でも、何でも自分は自分だ。そう考える事にした。



翌朝僕は目が覚めた、あの後直ぐに眠ってしまったみたいだ。


二人にからかわれるだろうな。まあ当然と言えば当然だからな。


母上の声が聞こえた。


「アレン、早く朝御飯食べなさい」


僕は急いで下のリビングに行った。父上が何やら玄関で誰かと話している。こんな朝早く誰とだろう?


父上は話が終わると僕の近くに来て。


「アレン、昨日の夜中にリサベルちゃんとラグーン君が、外に出ていったきり行方不明だって、アレンは何か知ってるか?」


その言葉を理解するのが、少し遅れてしまった。リサベルとラグーンが行方不明???何で?それは解っている開かずの森に入ったからだ。


僕は父上に怒られるのが怖くなり


「いえ、知りません」


冷たくでもはっきりとそう告げた。約束の事は僕たち三人しか知らないはずだ。バレないさ。


「そうか、解った」


行方不明になった二人は一体?

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