ピュア~一途なおもい~





『洋太ぁ~~、準備できたぞ』


玄関先で出掛ける準備をして待つあい


『あ、待って、もう少しで準備できるから』


忘れ物の最終チェックをしながら、玄関に向かう洋太


『買うものこれに書いて置いたから』


さりげなくポケットからメモ用紙を取り出すあい

そのメモを確認する洋太


「画材、夕食、夜のお楽しみ」?


メモを見て洋太が慌てながら


『あ、あいちゃん、なんだよコレ、一体お楽しみって?』


あいは冗談に見えないような素振りで


『そ、そりゃあ、決まってるじゃん、あれだよ』


もじもじしながら照れ隠すような態度で


『あれ???』


鈍い洋太にはその時点でその事が何か完全に理解出来ていなかった


『もう洋太、分かってるくせに』


うつむき加減で照れながら右手で軽く洋太の肩を突き放すあい


『あれって、アレッか、えええ、いや、そりゃあ』


ようやく趣旨に気付き、洋太はモジモジしながら口を窄めていた

そんな洋太の姿を見て


『なぁ~にHな事想像してんだよ、洋太のす~け~べ~』


あいは振り返りいたずらっ子の様な表情で軽く舌を出しながら、そう言い残して表へ飛び出して行った。


『ま、待ってよ、あいちゃん、そんなに急がなくても』


二人にとってまた楽しい幸せな一日が始まった。




時間は丁度昼の12時を回った頃


『洋太ぁ~、おれなんか腹減ったぁ~、もううごけねぇよ』


うなだれながら少しばて気味のあい


『はしゃぎすぎなんだよ、あいちゃんは、そうだなもうそろそろお昼だし、どこか店入ろうか?』


辺りをキョロキョロしながら入るお店を探す洋太


『賛っせーーー!、そうだな、今日の夜はあいちゃん特製のオリジナルカレーを作る

予定だから、よし洋太、カレー以外なら、何でもいいぞ』


人通りの多い中であいは人差し指を立てながら右手を大きく空に上げ、満面な笑みで大声を張り上げた


『じゃ、あの店で食べよう』


洋太が指を差した先には、少しこ洒落たレストランがあった。



まさかここから悲劇が始まるなど、今の二人には予想も付かなかった。



『いらっしゃいませー、お二人様で御座いますね』


中に入ると制服を着た店員が案内をしてきた


『はい、二人で、あと出来ましたら、禁煙席で』


『洋太にしては中々良い店選んだな』


洋太に寄り添いながら、店の中をグルグルと見回すあい


『では、ご注文がお決まりになりましたら、こちらのボタンでお呼び下さい』


席に案内され早速メニューを広げ何を食べようか選ぶあい


『洋太、ここのメニューどれもうまそうだな、おれ腹減ってるから沢山食べて良いか』


メニューを見ながら注文の品を選ぶあい


『ああ、お金もちゃんと下ろしてあるしね、ちょっとしたデートだな』


ソファーに両手を広げ寛ぐ洋太


あいはしばらくメニューを無言で見詰め悩んだ後


すると突然顔を乗り出すような感じで


『よし、決まったぞ、洋太はいいのか?』


『ん、ああ、俺はあいちゃんと一緒でいいよ』


そしてテーブルの上にある係りの呼び出しボタンを押した

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