この薄汚れた世界で

私はそっと生きる

この世界は汚い

隣の部屋からは赤ちゃんの泣き声と母親の怒号が聞こえる

上の部屋からはおじさんがその母親に文句の声を飛ばしている

職場では同僚の悪口が聞こえるし

居酒屋では愚痴と悪口の闇鍋だ

紛争も戦争もなくならないし

ヴィーガンやフェミニストは自分の意見を通そうと躍起になっている

ネットでは相手の意見に耳を傾けることのできない芳一が自分語りをしている

そんな糞みたいな世界で私はそっと生きている

耳をヘッドフォンで覆い隠し、液晶画面を通して何かを探すかのように私は

そっと息を潜める

あいつらに見つからないように

目立たないように群衆に溶け込むのだ

そうして世界と一つになる

なら私も汚いのかもね

そう思い私はそっと

世界と私に中指を立てる