タンメンが、皿うどん

白鷺(楓賢)

プロローグ

駐在所でのんびりとした昼下がり、駐在さんはいつものように昼食にタンメンを頼んだ。熱々のスープとシャキシャキの野菜が詰まったその一杯は、彼の定番だ。だが、この日の出前は少し違っていた。


「お待たせしました。」


無表情な店員が差し出したのは、タンメンではなく…皿うどん。


「いやいや、これじゃないよ。タンメンを頼んだんだけど。」


しかし、店員は反応せず、ただ黙って皿を置いていく。電話で確認しようとしても、店には繋がらない。


駐在さんは、ほんの些細なミスだろうと最初は思った。しかし、この皿うどんが奇妙な出来事の始まりだったことに、彼はまだ気づいていない。

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