タイトル[昔の秘密基地に集う二人]

絶望を超越するもの

タイトル[昔の秘密基地に集う二人]

二人の男女が山の中にある子供達が

作ったボロボロのちっぽけな秘密基地にいた。


「久しぶりだね」


「久しぶりだな」


「……それじゃあ始めようか?」


「そうだな始めるとするか」


そう言って二人はシャベル或いはスコップで地面を掘り始めた。


「みんな死んじゃったね」


「こんなにも若いのにな……本当に不運なものだ」


「そうだね……タイムカプセルには何を入れたっけか?

私はまるで覚えていないけれど悠斗くんは覚えてる?」


「宇宙破壊爆弾があったことだけは覚えているな」


「500億人と一緒に死にたいでしょ、それは

流石に超絶印象的だったからこの私も覚えているよ!」


そう二人は話をしながら掘り進めてついてタイムカプセルを掘り出した。


「これが私たちのタイムカプセル」


「これはかなり懐かしいな」


「私たち八人が写っている写真……懐かしいわね」


「……………そろそろ本題を話さないか?」


「……………………………………そうだね

こんな過去に浸ったとしても何も変わらないか」


そうして二人は昔に八人で作った秘密基地の中で話をし始めた。


「この私は500億人と一緒に死にたい」


「この宇宙に500億人なんていないぜ?」


「うん、だからこの宇宙以外もこの私の自殺に付き合ってもらう」


「それは何故なんだ?それがあいつの願いだったからか?」


「彼の願いはいつの間にかこの私の願いになったんだ

だから私のために500億人と自殺をするんだ、感動的な話だとは思わない?」


「俺はこの秘密基地で二人で死ぬ方が感動的ではあると思うがな?」


「何それって告白?」


「そう思うならそうなんじゃないのか?」


「そうなら私の答えはこれだよ」


そう言って何かのスイッチを押してマルチバースは全て吹き飛んだ。

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