第2話

・・・・1年後


俺は晴れて高校生になったわけで…


他の奴らと変わらない何気ない日常生活を


送っている。




ヒーローとして戦っていた時は、


仮面つけて変装していたから


もちろん顔バレはしていない。




みんなとはお互い別々の高校だから


あれ以来顔を合わせてねぇんだけど


健二とは同じ学校で…


入学式のときその顔を見つけたときは


気まずいなぁなんて思ったりもしたけど


別々のクラスになってホッとしている自分がいた。




あっちは俺も同じ学校だってこと


気付いてんのかな…


俺はたまに教室から遠くの廊下で


談笑しているあいつを見かけては


隠れるんだけど。


って何で俺隠れてんだ?…


顔合わせたとき何話せばいいか分かんねぇからか…




1年前までは馬鹿みたいにいつも


笑い合ってた俺達だったけど


それも一瞬で消えちゃうんだな…


俺のせいなのは間違いねぇんだけど…






昨日と変わらず授業を受けて


まぁ午後の授業は半分寝かけてたんだけど


あっとゆうまに今日1日の学校が終わり


俺は家に帰る。






「よぉ兄ちゃん!」誰かに呼び止められ後ろを


振り返るといかつい顔をした男性。




なんだよ…


柄悪いな…


晃「なんっすか?」




「ちょっとよぉ、金貸してくんねぇ?」




何で俺が…




晃「金なんてないっすよ」




「ちょっとでいいんだよ、ちょっとで。


 ちょっとくらいあるだろ?」




晃「だから…」


最後まで言い終わる前に肩にかけていた鞄を


そいつに取り上げられた。




晃「ちょっと!」




「いいからよこせよ!」


鞄の中から財布を探し出して


その中から数枚札束を抜く男。


その拍子にカランッ…と何かが落ちた。




「何だこれ?」


そいつは落ちたものを邪魔だとでもゆうように


横に蹴飛ばし、それを見ていた俺は


無性に腹が立って右の拳を振り上げそいつに


殴りかかろうとしていた。




晃「何すんだよ…それは俺の大事な…」


右の拳を振り下ろそうとした瞬間、誰かが


俺の手を止めた。




「殴るのはやめとけ。


 そんなやつ殴る価値もない」




「なんだと?」




「警察呼ばれたくなかったら、今すぐ金置いて


 とっとと消えろ。それとも俺とやる気か?


 どうする?」


凄まじくどすの利いた低い声にびびったのか


俺から金を盗もうとした男は金をぶん投げて


逃げていった。






人の金投げてんじゃねぇよ…


そう思いながら落ちた金を拾う。


拾いながらまだ目の前にいた人物に


俺は話しかけた。




晃「なんで止めたんだよ」




「だから言っただろ。


 あんなやつ殴る価値もないと。


 その拳は大切な人達を守るために使え」




晃「!?」




最後のひと言に俺は心が揺れ、みんなと戦って


いた時のことが一瞬頭に浮かんだ




晃「あの…あんた一体何者…」


そう言いかけたところで


目の前にいる人物が口を開く




「別に何者でもないさ。


 俺は俺だよ。」


そう言うとどこかに行ってしまった。




ヒーローやってた時


俺達みたいなヒーローが他にも何人かいると


聞いたことがある




まさかな… 






後にその人物と俺は再び会うことになるわけだが


それはまだ先のお話。

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