第2話
『──…寒いっ、』
12月後半─…世間がクリスマスだと浮かれモードの中、私は彼氏に呼び出されて寒空の下…食べたくもない"チーズケーキ"の為に行列に並んでいる。
そもそも、彼氏である
──…大事な話、なんていうもんだから…少し緊張しながらも…いつもよりオシャレをして家を出てきた。
そんな私と落ち合って早々に彼が告げた"大事な話"というのは─…
「─…専務の奥さんが機嫌を損ねてるみたいで。仲直りにはどうしてもここのチーズケーキが必要だから。俺の代わりに並んでてくれる?美羽、どうせ暇だよね?これ、専務のクレジットカード…絶対に落とすな?欲しいなら美羽の分も買っていいけど、自分の分は自分で払ってね?じゃ、買えたら連絡して」
早口で、一言一句噛んだりすることもなく淡々と述べて颯爽と消えていった私の彼氏。
自分の嫁の機嫌くらい、自分で取れやクソ専務─…っと言ってやりたいところだが。
私の彼氏、小山内 楓 という男は…どうもこのイカれた副社長(専務)を崇拝している。その為ヤツの悪口を彼の前で口走ったモノなら、、
「専務の悪口いう女とかムリ。俺と別れて?」
なんて平気で言ってのけるような男だ。
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