第26話

『……吏菜、まだ怒ってる?』



一番気になっていることをさりげなく聞いてみると、フルフルと首を左右に振った吏菜は─…




「もう…いい。ふーくんが悪いわけじゃない」




そう言ってベッドから降りると、包帯の巻かれた足にそっと触れる吏菜。さっきまでの泣き顔は嘘みたいに…今度は口角をあげて笑う。




「ケガが良くなるまで…吏菜のお家で一緒に暮らそうか?吏菜が楓羽のお世話してあげる」




……いやそれは、まずくないか?




『有難いけど…そこまで大ケガじゃ、』



「……断るなら、一生許してあげない。」



『お願いします、お邪魔します。』



「うんっ、楽しみだねぇ?」




何度も吏菜んちに入ったことはあるが…一緒に暮らす、とは?一体どういうつもりで言っているのだろうか?

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