第24話

「……嘘ついたら、針千本…だよ?」



俺の精一杯の強がりなんてものは、所詮吏菜には通用しない。秒で見破られるのはいつものことだ。そうなればもう…こちらも取り繕う必要は無くなるわけで。




『……痛い、歩けない、りー助けて』




横になっていた身体を起こして両腕を広げて見せれば、なんの迷いも躊躇いもなく俺の胸に飛び込んでくる吏菜。




視界の端で、保健医のオバサンが呆れ顔でカーテンを閉めてくれたのを確認して…吏菜の腰に腕を回し、ひょい…っと身体を持ち上げてベッドの上に吏菜を誘い込む。





「…ふーくん、」



『ん…吏菜が来てくれたから、もう治った』




ゴツン、と額をぶつけて至近距離で吏菜を見つめれば…顔を真っ赤に染める可愛い俺の彼女。




「……ダメだよ、他の人っ」



『しーっ…黙ってたらバレない』




吏菜の髪の毛に指を通し、さりげなく後頭部に手を持っていけば…この先の俺の行動を読み取ったのか、小さな手を俺の背中に回した吏菜




その手が少し震えているのがまた、堪らなく可愛くて─…愛おしい。

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