第13話

「確かに…昔っから、明るさだけが取り柄だからね…絢音は、、」




お母さんがそう言って目を細めて笑うと、




「これから先、彼女を毎日笑顔にすることをお約束します。──…娘さんを、僕にください。お願いします」





ドラマで聞くようなセリフをストレートに私の両親にぶつけた律希さん。反対する意思なんて元々なかったのか両親共にすぐに承諾してお寿司の出前を取り始めるというはしゃぎっぷり。





そんな偽りの席でも彼は嫌な顔ひとつせずに「お義父さん、どうぞ」と言って父のグラスにお酒をつぎ、「お義母さん、僕が運びます」と食器の後片付けまで率先してやってくれていた





そして極めつけは──…





「これで…彼女と隣人の男性の婚姻の話は、無かったことに出来ますよね?彼女の傍に男性の影があるのは少し不安で─…」





最後の最後、家を出る直前に私の母に”篤郎”のことを釘さしてくれた律希さん。ただ純粋にそのことが嬉しくて…帰り道、少し泣いてしまいそうになった

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