第11話

タワーマンションの高層階、エレベーターの中でも他人のように少し距離感を空けて乗る私達が今日から夫婦、なんて…少し笑える。





「──…着いた」




一つの部屋の前で立ち止まった律希さん。同じようにして足を止めた私をジっと見つめると、





「……今日から絢音の家だ」




そう言ってタッチ式の鍵をかざして…ガシャン、という音と共に玄関の扉が開かれる




──…緊張するっ




期間限定とはいえども一緒に暮らす…子ども。小学生、女の子─…えぇっと、名前は?





「─…パパ〜っ!!!」




玄関の扉が開くなり、奥の方から走ってきた可愛らしい女の子が帰宅したばかりの律希さんにギューッと抱き着いた




「あぁ…ただいま─…実夏ミナ




─…ミナちゃん、っていうんだ

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