第35話

高校からの同級生、、凪砂の友人であり、私と優香とも仲が良かった、、黄瀬きせ 洋平ようへいからの、突然のメッセージに心臓が掴まれたような感覚に陥る。







優香の亡くなった命日に、高校の時に仲の良かったメンバーで集まってお墓参りをし、その帰りに私の家で宅飲みをする、、っというのがここ近年のお馴染みのコースになっていた。






お馴染みと言っても、それに凪砂が参加したことは一度もなかった。毎回こうして洋平が集合のメッセージをくれるのだが、凪砂からの返事はなく、いつも凪砂抜きのメンバーで優香の命日を過ごしていた。






きっと凪砂は、自分一人で優香と向き合いたいのだろうっと、声には出さないが皆がそう思っていたと思う。







──だから心底驚いた








【 今年は参加する。つか、萩花んちって何?お前らいつも萩花んちで集まってんの? 】






参加表明をして、私の名前を連呼する人物、、一度も集まりに参加した事がない凪砂が、今年に限って来ると言い出したのだ。








驚いて返信することも出来ずにボーッと画面を眺めているのはどうやら私だけだったらしく、、







洋平ようへい【 っは?!お前来んのっ?!っつか、来れんのっ!?ダメ元だったけど連絡してみるもんだなあ〜】




拓海たくみ【 おつかれ!ってか凪砂っちいけるってホンマ!?俺、凪砂っちに会えるん久々すぎて、今から楽しみやわっ!】






翔大しょうた【 うぃっす。いや、俺らより萩花が一番テンション上がってんじゃね?大好きな潮崎しおざきに会えるぞ、良かったな。酔ったお前の潮崎の好きなところを毎回聞かされる俺たちの身にもなれ。】







言い出しっぺの洋平を筆頭に、他のメンバーである拓海たくみ翔大しょうたも乗ってくる。仲の良かったグループの中で、女子は私と優香だけだったから、優香が居なくなってからは、何かと相談できる相手はこの男たちだけだった。

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