第4話

恋人のことなのに【〜らしい】とか【〜みたい】っと語ってしまうのは、正直私も凪砂がどんな仕事を任されて、何処にいるのかすら知らない事が多かったから





ああいう国家公務員の人命救助にあたる人や、特殊部隊と呼ばれる人達には"守秘義務"というものが存在するらしく、親しい者にも任務の内容などを口外することは禁じられているのだとか、、




約束なんて破られるのが前提みたいなもので、デートの途中で置き去りにされるなんてことは良くあることだった





それでも嫌味や文句一つ言わず、顔面に精一杯の笑顔を貼り付けて送り出してきたのにっ!!





ーー・・・それなのにっ、こいつ何て言った?!





20代ラストを迎えた誕生日の今日、まさかここで別れを切り出されるなんて夢にも思わなかった






約束を基本守ることの無い凪砂が、誕生日のお祝いをしてくれると言って、この有名ホテルの高層階のお店を待ち合わせ場所に指定してきた時は、本当にドキドキしたし、目いっぱいお洒落してここに来たのにっ・・・






1ヶ月ぶりに見た凪砂の顔は、いつも以上に冷たくて、感情を読み取ることなど出来ないほどに色がない





会わなかったこの1ヶ月の間に、凪砂の中で何か大きな心境の変化でもあったのだろうか?それとも言葉には出来ない、感情にも出せないほどに・・・辛い出来事でもあったの、、?

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