第33話

チュッと小さなリップ音を立てて、神崎はあたしから離れると、



「俺の言葉は信じられなくても...目の前で起きたことは誰だって信じちゃうんだよ?日向の本命なんて、本当はぜーんぜん興味ねぇの!なのに、紗綾ちゃんが取引しなかったから悪いんだよ?っじゃ、今日から..."校内一の彼氏がいるのに俺と浮気した最低女"ってレッテル貼られて、頑張って生きてね?」






ーー…言いふらすより、こっちのほうが面白いでしょ?





耳元で長いことペラペラ話しきった神崎は、最後気持ち悪い笑みを浮かべて、あたしから離れて立ち上がった






「っあぁ、見られちゃった?いや、紗綾ちゃんがどうしてもって迫ってくるから拒めなくってさ…ってか、湊と吉野まで居んの?全員揃うのすげぇ久々じゃん♪なぁ、これからバックれてカラオケ行かねぇ?俺さぁ〜...」







神崎がペラペラ話しながら、バカな連中のいる上の階に向かっていって、見えなくなって…





上の階から聞こえていたヒソヒソ話す声が遠くなっていった頃...






『...っうぅ、、っグスン』





身体中が震え上がって涙が止まらなくなる






ーーーー...怖かった

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