第31話

「ゲームオーバー...後悔すればいいよ、柏木紗綾」





『...っえ』






最後に見た神崎陽斗の顔は、吉野みたいな冷たい目をしていて…






『...っちょ、何シテんのっ?!...っんぅ』






突然階段を駆け下りてきた神崎陽斗は、あたしが立てないのをいい事に、後頭部に素早く手を回すと、そのまま深いキスをしてきた





『……っん、やぁだっ』




何度も神崎を押しのけようと試みるけど、力が強すぎて敵わない





いい加減、殴りつけてやろうと手を上げた時だった





「っちょっとぉ〜?陽斗ってば、昼間っからなぁにしてんのさぁ...っね、みんな見てよ〜陽斗のバカ、まぁた盛ってる〜」




突然聞こえた第三者の声…





「っえ、どれどれ、あたしも見たい〜…ってかあれ?...紗綾じゃん?!」




「っは?マジで?なになに、陽斗のヤツ略奪かよっ!前から狙ってたもんなぁ〜紗綾ちゃんのこと」






どんどん増えてくるその声は、、、






「やっべぇ〜...俺ら浮気現場見ちゃってんの?っつか、陽斗うらやましすぎんだろ!俺も紗綾ちゃんとキスしてぇ〜...っなぁ、湊も吉野もそう思うだろ〜?」





いま、目の前で何度もキスしてくるバカ男神崎の友人である、あの頭の悪い不良グループの連中たち




もちろん、その中には吉野も居る訳で......

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る