バカ男との取引

第20話

ーーーーーーーーーーーーー



ーーーー…本当、最悪の出会いだった





電車を待っているあいだ、思い出したあの日のこと…





この半年、何度か思い出すことはあったけど…やっぱりいつ思い出しても、嫌な思い出でしかない






さっきあんな風に吉野と目が合ったのは、出会ったあの日以来で…







『何なの、アイツ…』





あたしのことを見る、アイツの目が冷たすぎて…





どれだけあたしのことを、嫌っているのか思い知らされる





(まもなく…一番ホームに…電車が……)






はぁ、バカらしい…





別に吉野があたしのことをどう思っていたって関係ない





(…ドアが閉まります…ご注意…)




ちょうどホームに入ってきた電車は、、




帰宅ラッシュなのか込み合っていて、一瞬乗ることを躊躇ったものの、この時間なら仕方ないかと、電車に足を踏み入れた時だった




『…っえ?!ちょっと、なに…!』




ーーーー…プシュ、、、プシュー





1度、締まりかけたドアが、再び開く






(ドアが閉まります…ご注意ください)





目の前で閉まったドア、、、






そのまま電車は……





『…何で…いるのっ』




あたしを乗せることなく、走っていってしまった

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