第11話
「ちょ、何なんだよ!ルームサービスなんて頼んでないぞ!っあ、コラ!おいっ勝手に入るな」
離れたところで、オヤジがパニクってる声が聞こえる
ーー…誰か入ってきたの?
隠れたいけど、怖くて足に力が入らず、ソファーで座ったまま震えることしか出来ない
「おい、おっさん…これ、犯罪だろ」
突然バサッと頭から、スーツのジャケットのようなものを被せられて、視界が真っ暗になった
「お、お前に関係ないだろ!それに私は客だぞ?従業員のお前が私にそんな態度…許されると思ってるのか」
オヤジはかなり偉い人なのか、何を言われても動じない様子
「へぇ〜…実はこの部屋、カメラ付いてんだよ。全部見てた、だから今俺がここに居る。…お偉いさんのあんたなら、この後俺が言いてぇこと…分かるよな?」
こ、この部屋カメラ付いてるの?!
何処に付いてたんだろう…
ってか、従業員はみんなその映像見れちゃうの?!
余計な心配をしているあいだに、バタバタと慌ただしくひとが動き回る気配を感じた
「な、何なんだよ!その女も!この店も!!っ二度と来ないからなっ!」
捨てゼリフのように言い放ったオヤジの声を、真っ暗の視界の中で静かに聞いていた
「待てよ、おっさん…なんか忘れてんじゃねぇの?」
「っ!?ふざけたこと言いやがって…覚えてろよ」
グシャグシャっと紙を丸めるような音がした後、すぐにパタンッとドアが閉まったのが分かった
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