第53話

「……なんだ、不細工な顔して。どうした?」



「その、ブサイクって言うの辞めてもらっていいですか?!……地味に傷つきます」



「寝顔を見られたくらいで、いちいち嘆くな」



「嘆きますよっ!まだ新次郎に見られた方がマシです!!」




むぅ〜…っと、仁睦さんを見上げて睨みつけると、両頬をムニッと抓られた。




「……にゃに、するんれすか」

訳(……なに、するんですか)



「別に。ただ苛ついただけだ」



「にゃんれ?」

訳(なんで?)



「さぁな?無い頭、使って考えろ」




推しはその手を離すと、今度こそ私から離れて部屋を出ていこうと襖に手をかける。

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