第49話

ところで…今は一体何時なのだろう?



そんな疑問が生まれたことにより、またしても重要なアイテムが手元に無いことに気が付いた




「……Hey 新次郎!!」



スマホの機能と同様の呼び方で、立ち去ったばかりの新次郎(Siri)を呼び出してみると、バンッ…と力任せに襖を開け放った新次郎の姿が視界に入った。



「調子乗ってんじゃねぇぞ、クソアマ!!」




あらあら、お口が悪いですね。



「あの、私のスマホ…知りません?多分着ていた服のポケットに入ってたと思うんですけど」



「あぁ…あれな。若頭が持ってる」




………なんだって?!!



「ここでの生活を他言されたら困るからね。外部との通信は一切禁止。」



「っえ…いや、それはさすがにっ」



「お前専用のキッズケータイ、用意させてるところだから…大人しく待ってろ。くだらねぇことでいちいち呼び出すんじゃねぇよ、こっちはお前と違って暇じゃねぇんだよ!」




ずいぶんとお怒りモードだった新次郎は、そのまま部屋を出ていってしまった。呼べば直ぐに来てくれる新次郎。なにを忙しいことがあるのだろうかと疑問が残ったが…考えても分からないのでゴロンと寝転んで目を閉じた。





目が覚めたら全て夢で…起きたらいつものベッドの上、なんてことは無いだろうか?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る