第45話

「……探し物は、これ?」



これ、と言って後ろに隠していた物を私に差し出した新次郎。アロマキャンドルにしては大きすぎるその代物、、そう、それはっ、、




「私の家宝っ、推しの脱ぎたてホヤホヤジャケットっ!!」




起きて直ぐに安否を心配していた、仁睦さんのスーツのジャケット。持っていてくれたのか…っと感動しながらそれを受け取ろうと手を伸ばしたが─…




「──…五万、」



「……はい?」



「これ、欲しいんだろ?五万払えよ」




って、この人鬼畜すぎません?




「いやいやっ、これは元々私の、」



「は?これは若頭の私物だろ?」



「あ…まぁそれは、そうですけどっ」



「で、いまソレは俺の手の中にある。返して欲しいなら五万、現金で払えよ」




…あの、仁睦さん?


やっぱりこの人クズだと思うんですけど?!今すぐ帰ってきてもらっていいですか?!

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