第36話

不味いことを言ってしまったのだろうか?っと彼を見て苦笑いを浮かべた時─…再び部屋中に会長の笑い声が響いた。




「いやぁ…ほんと、面白いね。そう身構える必要は無いよ。英里さんに何かしようなんて思ってないから安心してよ─…仁睦」



私に…では無く、仁睦さんにそう言った会長は今度は私を見て優しく微笑むと、、




「しばらく、この屋敷で暮らしてもらえるかな?恥ずかしい話、キミの家に火をつけた人間が何者なのかまだ把握出来ていないんだ。この写真が裏で出回ってる可能性が高い。キミの身の安全を確保するためにも、解決するまでここで生活してもらえる?」




…………え、いいんですか?!



私、ここでっ…推しと同じ屋根の下で生活させて頂いても、よろしいのでしょうか?!!




「世話係に、そこに居る仁睦と…補佐として新次郎をつけるよ。仁睦はうちの若頭だからね…まぁ忙しい立ち位置にいる人間だから、仁睦が居ない時は新次郎を頼ればいいよ」




世話係っ…?!っえ、なんのお世話をしてくれるのでしょうか?頼めば何でもシてくれる?!




「……何か言っておきたいことがあれば、今なら何でも聞き入れるよ?」




──…何でも?何でも聞き入れるって言った?


言ったな?言ったよな、会長サマ?!




「あのぉ…大変申し上げにくいのですが、、先程の写真をプリントアウトして、一枚頂くことは可能でしょうか?」




私のその発言に会長サマは大爆笑し、隣に居る仁睦さんは大きくため息をついて頭を抱えた。

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