第13話
私の発言に頭を抱えた仁睦さんは、銃口を押し当てたまま空いた方の手を伸ばし…近くに転がっていた私のショルダーバッグに手をかけた
その中から財布を取り出し「…身分証」っと低い声で呟いてから、ヒョイっとこちらに向かってソレを投げた。そこまでするならご自分で財布の中身をご覧になられては?っと思わないこともないが言葉を発する勇気は無いので大人しく財布からマイナンバーカードを取り出し彼に手渡した。
「………まさか、高校生?」
この反応には慣れている。身分証…といわれて”運転免許証”を提示しない私のことを人は皆18歳以下のお子ちゃまだと判断するらしい。
─…人類みなドライバーだと思うな?
「あ…私、免許とか持ってなくて、、」
「原付免許くらい持ってるだろ、普通」
「持ってませんっ!っていうか自転車もうまく漕げないのにバイクなんて乗れませんよ!」
「……中学せ、」
「大学生でっす!ピチピチの二十歳!今年で二十一歳ですけどっ、現役の女子大生で胸のサイズはエフっ、、んぐぐっ」
差し出したマイナンバーカードを口の中に押し込まれるという謎の拷問を受け、私の自己紹介という名のアピールタイムは呆気なく終了した
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます